私が出会ったわきまえない女たちに比べて、私はどうだろう

留学先で出会ったわきまえない韓国人の女の子。高校生の時は念入りに化粧で肌の色を真っ白に、リップで唇を真っ赤にしていた。
だけど大学に入ってから化粧をやめた、コンタクトもやめた、そして太った。さらに乳がんになりやすいからという理由で、ブラジャーをつけなくなった。
女性らしい見た目をわきまえない女。

留学先で出会った中国人の女の子。「女の子とのデートはアメージングだ」と言いながら、留学先で早速彼氏を作り、堂々と男の子ともデートする。
同じく大学の先輩女性も性的マイノリティー。「今一緒に住んでいる彼女だよ!」とサークルの公演に彼女を連れていき、メンバーに紹介する。人と違うこと、違いを人にシェアすることを恥ずかしいと思わない。
ジェンダーをわきまえない女。

声優で作家の浅野真澄さん。旦那さんは漫画家の畑健二郎先生。浅野さんは家事の3割しかやっていなくて、残りは旦那さんがやっているとラジオで言っていた。奥さんだからと言って、浅野さんは家事を多くやろうとは思わないし、恥ずかしいとも思わない。
ジェンダー役割をわきまえない女。

私はどうだろう。
私は家事をやってくれる人と結婚したいと願っていながら、料理ができる女を目指して奮闘している。なぜ女性だけ50万も払って脱毛するのだろうと不満に思いながら、2か月に1度クリニックへ脱毛に行く。なぜ女性だけ生理の苦痛を味わわないといけないのだろうと怒りながら、生理が毎月来ると安堵する。

頑張りすぎるより、手を抜いて遊ぶ方が好かれると痛感した中学生時代

“Be a lady, they said”を読んで、私がわきまえていないと思った一つに「頑張る」がある。
「ちょっと頑張りすぎだよ。やりすぎじゃない?男性は頑張りすぎてる女性は引いちゃうよ」
頑張りすぎるより、少し手を抜いて遊んでいる方が男性に好かれるという考え方だ。
たしかに中学生で中国に住んでいた頃、インターナショナルスクールに通っていて、頑張りすぎると男女問わず人から好かれないという事実を痛感した経験がある。
インターナショナルスクールとは多国籍な生徒と先生がいる学校で、授業は英語で行われている。語学を伸ばすにはうってつけの場所だが、恵まれた環境とは裏腹に、クラスメイトはほとんど勉強していなかった。

親から勉強をあまりにも強いられて塾の勉強はするが、学校の勉強はしない韓国人。自国での厳しい教育競争から逃れて勉強モードが常にオフ状態のシンガポール人。やる気のない生徒に愛想を尽かして授業を放棄する先生。
それでも私は自分の力で未来を切り開くために、学校では英語と中国語、家庭教師を付けてさらに中国語、塾では日本語を勉強し続けた。
今頑張らなかったらいつ頑張るの?日本に帰ったらインターナショナルスクールのような国際教育は受けられない。頑張らないといけないときに頑張らなかったらいつ本気で取り組むの?男性から嫌われたくないから頑張らない?本当は頑張りたいのに?

“So what?”(それが何?)の精神で今日も自分のために頑張る

“Be a lady, they said”における「頑張りすぎじゃない?」とは、私が言うような学業の頑張りすぎを示しているわけではないかもしれない。化粧、脱毛、ダイエット、女性らしい体作りなど、見た目の女性らしさに対して言及しているのかも。
しかし、学業や仕事といった力量が試される場面で、頑張りすぎというレッテルを貼られて女性らしくいることを強要される経験って、多い。だから、人からとやかく言われたときに使ってほしい魔法の言葉がある。

“So what?” 、「それが何?」だ。
私がインターナショナル幼稚園に行っていたときに、人の言葉をぶった切って、“So what?”と言う返事が流行ったのだ(笑)。「それが何?」と言われると、相手が何も言い返せないような威圧感を与える。
“So what?”の精神で生きて今日も自分のために頑張ろう。