私より100倍可愛くて世渡り上手な、妹のヒロちゃんが苦手

私は、2個下の妹のヒロちゃんが苦手だ。
小さいころから私の真似ばっかし、わがままし放題。お昼寝したら3時間は起きてこない。同じ親から生まれたのに目の大きさ、髪の質、身長、何もかも違う。一緒に買い物等に行くと絶対に友達同士に間違えられる。ヒロちゃんの方が私より100倍可愛い。
取り合いの喧嘩すると、最初に私が怒られ譲る羽目になる。そんな私を見ているからか、すごく世渡り上手。

ここで余談だが、私が高校3年生、ヒロちゃんが高校1年生の時、帰る時間が同じになり一緒に帰っていた。その時、私が気になる男子にばったり会い、内心嬉しくてドキドキワクワクしながら、気になる男子にヒロちゃんを紹介した。
次の日、学校で会うとその男子は「ヒロちゃん、めっちゃ可愛いかったから紹介して」と言って来たのだ。3年間の恋もあっけなく終わった。

そんな感じで、ヒロちゃんも苦手、ヒロちゃんだけを可愛がる両親、周りも苦手。早く、こんな家から出て行きたいと何度も、何百回も思っていた。

旦那の転勤で石垣島に引っ越し。第二の人生の始まりにワクワクした

そう思いながら、23歳の冬。転勤がある旦那と出会い、1年ちょっとで入籍した。
子宝に恵まれ、地元鹿児島を転々とし、26歳。2019年4月、沖縄県の石垣島への内示がでた。
友達と別れるのは辛かったが、新しい土地、新しい出会いにとてもワクワクし、まだ引っ越してもいないのにSNSを更新する度に「#石垣島ママ」とハッシュタグをつけ、ママ友をつくった。
Googleマップで社宅から色々なところを見るのも楽しく、苦戦したのは飛行機の取り方だけで、本当の本当にワクワクがとまらなかった。

第二の人生の始まりだ。

鹿児島から石垣島までの移動手段は飛行機で、那覇で乗り換える。旦那は仕事の関係で先に越していたので、2歳なりたてと9ヶ月を連れて、1人で移動だ。
飛行機や乗り換えは思っていた以上に精神的にも体力的にも疲れた。
迎えに来てくれた旦那と合流し、車の中ではヘトヘトになりながらも周りの景色を楽しんだ。
荷物下ろしや市役所の手続きも何もトラブルもなく無事に終り、あとは4月なのに気温が25度以上もある石垣島に絶対に必要なエアコンの設置だけになった。
しかし、話を聞くとこの時期は多忙で、出遅れた私たちには1週間後の設置となり絶句した。

鹿児島や家族が恋しい日々、ふとヒロちゃんの声が聞きたくなった

旦那は、次の日から15日ほどの出張に行き、ジメジメの中、初めてのワンオペ育児がスタート。
朝起きて、荷物を解いて、子どもたちのご飯、1人は離乳食、片付け、お風呂に入ってまたご飯が夜まで永遠と続いた。
そういう生活が2、3日続いたあと、夜になると動悸がすごくて寝れなくなった。寝れないから和室に行き、畳縁の上を疲れるまでグルグル歩く。
子どもたちが起きてきたら、ちゃんとした母親でいたいと思い普通に振る舞った。
あれだけ鹿児島から出たいと思っていたのに、鹿児島や家族が恋しくなって1人で泣いた時もある。

家族以外の友達と電話して話を聞いて欲しいと思ったが、周りは仕事があったり新婚さんなので邪魔してはいけないと思い控えた。

ある日、ふとヒロちゃんの声が聞きたくなって電話した。
「何泣いてるの〜?ウケる」とバカにされ、電話したことを後悔したが、なんやかんやちゃんと話を1時間近く、ウンウンと聞いてくれて、
「どうせ、1、2か月したらお姉ちゃんのコミュ力の高さで友達もできて、引っ越す時は違う意味で泣くのが目に見えてる」
と言って電話を切った。

あの時、姉というプライドを捨て、ヒロちゃんに電話してよかった

私のどこがコミュ力高いんじゃ!と思うが、ヒロちゃんが言ってくれたおかげで前向きに考えることができた。
それから、できるだけ私から挨拶し話しかけるように心がけ、老若男女問わず色々な人と繋がりをもてた。石垣島には1年半程しか暮らしていないが、今だに連絡を取り合ってくれる友達もいる。
ヒロちゃんが言ってくれたように、引っ越す際は、石垣島に来た時とは違う涙がたくさん流れた。

あの時、ヒロちゃんに電話しなかったら、話を聞いてもらえなかったら前向きになっていなかったかもしれない。今の引っ越し先でも病んでいたかもしれない。姉というプライドを捨てて、妹の前で大泣きしてよかった。

そして、もし、ヒロちゃんが誰かを頼る時は、是非ともこの泣き虫な姉を一番最初に頼ってほしいと願う。