別に隠しているわけでもないが、ワタシはもう随分脇毛を剃っていない。
剃りたくないわけじゃない、できたら剃りたい気持ちはある。
それこそ女子大生だった頃は、もうスベスベツルツルもち肌女子がモテる鉄則だろうと異性の目を気にして、必死でお手入れしていたのがもはや懐かしい……。

出産で消滅した理想的な女子像。ここぞとばかりに育つムダ毛

私の中に渦巻いていた理想的な女子であることのエネルギーは、出産を機に消滅したも同然のようになる。
こどもとの生活は、綺麗にしたくても自分のタイミングではできなくなることの連続。
自分の中の判断基準である「生きる」か「死ぬ」かで、ものごとを捉えることが更に加速した。
毎日のように巻いていた髪はボサボサ、栄養は母乳で流れでて肌はカピカピ、子の保湿はする癖に自分のはめんどくさくなりかかとはひび割れ……体毛の処理?するわけが……笑。
乳輪に突如生えだす毛を、授乳しながら発見し必死で摘み抜く日々。
そろそろ、お気づきだろう。
その通り。ワタシは何を言われよう自他共に認めるかなりのガサツ女だ。
上記、別にきちんとしてなくても、そう!死なない。
とはいえやっぱり、自分の劣化には傷つき、キラキラしていたあの頃の自分に想いを馳せることもなくはない。

話を大幅に脱線させてしまったが、そうそう脇毛。
長そでを着て過ごす冬。
パジャマから着替えたとて寒くて猛スピードでブラジャーヒートテックに着替えてしまうので、脇毛をみる暇などない。
旦那さんと一緒にお風呂に入る習慣はあるものの、子どもを抱っこしていたり意識さえすれば脇毛を見られないように入浴は意外にも簡単だと気づいてしまった。
ついでに旦那さんは視力が良くなく、コンタクトを外している入浴中は見えてないと言っても過言ではない。
季節と自分にとって都合の良い状況に便乗し、ついつい自分のムダ毛に目を背けてきた。

ガサツだっていい。今ワタシはとても楽に生きることができている

そんなある日、こどもと入浴中、3歳の息子による純粋な質問。
「ママのおひげは、うでの下からのびるの?」
久しぶりに自分の脇に目をやるとハッとした。
二の腕の上の方にはりつく脇毛、さすがにやばい域にきてしまったとひたすらに焦った。
「違う違う、ゴミが張り付いただけ」と取り繕って出てきたでまかせを、いけないと思いながら伝えごまかし、入浴を済ませた。
その夜、急ぎ指摘された右腕にのびた脇毛を、正直ハサミで切れそうな長さだなと愕然としながら少し自分に情けなさを感じつつ剃った。
次に左をっと。
「ママ〜ちょっと見に来て〜恐竜のおもちゃが……」
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左だけロン毛、右もそろそろつまめる長さに育ってきている。

ただ怠惰なだけ、ガサツなだけかもしれない。でも今、ワタシはとても楽だなと感じる。
春の訪れを違った形で楽しめているのかもとすら感じる。

伸ばしてみると意外と気にならない。そして死なない

わきまえないススメではないが、なにかを頑張ることに少しでも疲れたと感じるならば、あなたは今日から脇毛を伸ばしてみるといいかもしれない。
気持ちがワクワクしたり胸がはずむようなことでもないが、意外と気にならない。そして脇毛がのびたとて死なない(笑)。

もう少し寒さが続く……。この寒さに便乗し、不揃いな脇毛ともう少しともに生きようと思う。