今の自分を動かしているのは、間違いなく『自分で「始めた」女たち 「好き」を仕事にするための最良のアドバイス&インスピレーション』(海と月社)。

この本は、ニューヨークやカリフォルニア、ミシガンなど主にアメリカ在住のデザイナーや作家、起業家などアクティブに活躍する女性たち約100人を、年齢や国籍関係なく紹介し、掲載している。
有色人種の方やLGBTの方、心身に障がいのある方も登場していて、みんな「子どもの頃の夢」「駆け出しのころ役立ったアドバイス」「夜眠れなくなるような不安や悩み」「ミスから学んで成功につながったこと」について語っている。

本に登場する女性に刺激を感じるも、日本の女性は掲載されておらず

「自分は何がしたいんだろう」と今後のキャリアについてモヤモヤしていた頃に出会った一冊。本に登場する女性たちが夢や目標を生き生きと語っている姿を見て刺激を受けたとともに、こんな風に自分の人生や夢に誇りを持って歩いていきたいと思うようになった。

しかし、読み進めていくうちに感じたのは、ほとんど日本の女性がいないということ。
約100人もの女性がインタビューされているのに、日系アメリカ人の方を除くと日本人女性は1人も掲載されていなかった。
もちろん、取材を行った地域の関係もあるかもしれない。だが、多様な国籍の女性が掲載されている中で、1人くらい日本人女性がいてもおかしくないだろう、と思ってしまった。

現在の日本で問題視されているのは、女性が社会や政治で活躍できる機会が少ないこと。
「積極的に女性を管理職にしよう」と謳う企業や「クオータ制を導入しよう」という声もあるが、現実はなかなか厳しい。
その結果、ジェンダーギャップ指数は156か国中120位(2021年3月時点)。
「夢を見たくても見れない」のが今の日本なのかな、と思う。

一方で世界を見ると、メルケル元首相やアーダーン首相、蔡英文総統など女性がトップの国はあるし、「自分で『始めた』女たち」の中にはエネルギッシュな女性たちで溢れている。
もっともっと、日本人の女性も夢を持っていいし、声を大にして叫んでいいと思う。
同時に、社会はもっとこの現状に危機感を持って、積極的に制度を変えて行かなければならない。これは、早急に改善するべき課題だ。

本に出会ってから考え始めたことと、いつか作りたい一冊の本

この本に出会って心からそう感じ、自分にできることは何かを考えるようになった。最近は3つのことを心掛けている。

1つ目は、多様な価値観や生き方を知ること。
これまでは自分や自分の周りしか気にする余裕がなく、立場やバックグラウンドが違う人への理解が欠けていた。
「自分が見えていない世界」を見ている人の声に耳を傾け、視界を広くしていきたいと思っている。

2つ目は、戦っている女性を知り、応援すること。
世の中には、今の現状を変えようと声をあげている女性がたくさんいる。
これまでは何も考えず生きてきたため、戦っている女性の存在に気づけなかった。
でも、今はもう他人事とは到底思えない。
「声」に賛同し、一緒に声をあげていきたい。

3つ目は、感じたことを発信すること。
日々感じたことや違和感、こんな未来になってほしい、などをTwitterやnoteで発信するようになった。
また、仲のいい友人とも社会や政治のことを話すようにしている。
SNSで発信したり、友達に話すことで意見をもらったり、「いいね」と賛同してもらうことが増えた。

そして将来的な目標は、日本や世界中で頑張っている女性たちを見つけ、話を聞き、「自分で『始めた』女たち」の日本版を作りたい。

小さな想いや行動が原動力となり、ガラスの天井を壊せるその日まで

これは、夢がありつつも実現できていない女性、そもそも夢を持つ余裕がない女性に向けた本。
日本版「自分で『始めた』女たち」を届け、希望を持ってほしいと思う。そして、その希望を叶えるため、少しずつでも視野を広げてみてほしい。
小さな想いや行動が原動力になって、いつか「ガラスの天井」を壊せる時は来るのではないか。そんな世の中になることを期待して、この目標を掲げている。

たった一冊の本で人は変わる。これからも色んな本に出会い、価値観を揺さぶられていきたい。