20歳になった私に届いたのは、年金の支払いが始まるという通知

私は20歳を超えたが、大人ではないと思う。
何かは分からないけど、私は同年代の人より精神年齢が低い気がする。
どこかは分からないけど、周りの子たちが大人びて見える。

20歳になった。
私の手元に届いたのは、誕生日プレゼントとしては質素な飾り気のない封筒。年金の支払いが始まるという通告だ。
1万6千円という大金に驚いた。初めは支払っていたが、支払いが困難になり学生免除を使った。

お酒が解禁された。
初めて飲んだビールは苦くて、進んで飲もうとは思えなかった。焼酎に限っては一口で手を止めた。苦味というより辛味。喉に走る痛みに耐えられなかった。
ぶどうジュースのような色をしたワインは、予想とは違うアルコール消毒の匂いが鼻にツンときた。当然まずかった。色の付いたアルコール消毒液を飲まされたと思った。
結局、ほろ酔いしか飲めなかった。今でも2缶が限界で、すぐに顔が赤くなって眠気に襲われる。そのため、お酒は好きになれなかった。

大人になることが何なのかよく分からない。でも、周りは大人に見える

20歳を超えてもこの2つしか変化がなく、「大人になった」という実感が湧くことはなかった。20歳の醍醐味であるお酒にさほど興味がない私には、もはや変化はゼロと言っても過言ではない。年齢的には大人になったのかもしれないが、私はどこか子供のような気がしてならなかった。

周りを見るとみんなお酒を飲んでいた。飲み会をしようと誘ってきた。何がそんなに楽しいのだろう。私は断った。
お金が無駄だと思った。そんなことより服や髪、メイクやアクセサリーにお金を使う方が有意義だと思った。
私は大人にはなれなかったが、大学生にはなれていたと思う。黒髪天パから茶髪のストレートにした。自分がイエベかブルべかを診断し、自分にあうメイクをした。イヤリングも毎日つけた。大学の中で浮かないように努力したし、高校生の時よりかなり変化した。
けれど大人になったと言われて特に努力をしたことはないし、生活が変化したこともない。大人になることが何なのかよく分からない。でも、周りは大人に見える。私にとって不思議な感覚だった。

心は中学1年生のまま。何度考えても「大人」という結論は出ない

何かがきっかけで友達の間で診断モノが流行った。中学生の時、図書室に診断系の本があってみんなで集まってしていたことが懐かしい。最近はネットだけでなく、YouTubeにもある。
そこで私がかなり興味を持ったのがゲッターズ飯田の五星三心占い。誕生日を入力するだけで自分の性格、運勢が分かる。そこに書かれていたことが私の芯をついているようでずっと忘れることができない。
それは「心は中学1年生のような純粋なところがある」というものだ。

中学1年生だと言われて、そうかもしれないと思った。
私の精神、考え方、テンションというものは中学生の時からずっと一緒のような節がある。変わっているのは見た目だけ。中身は割と不変な感じがする。
自分で言うのもあれだが、私はかなり好奇心旺盛な方でかなり自由人だ。それは昔からずっと変わらない。いろんな性格診断をしたが、基本この2つのことが書かれている。友達からも素直だよねとか男子中学生みたいと言われる。

この性格が原因なのだろうか。それとも料理ができないことなのだろうか。まだ親に養ってもらっているからだろうか。
「大人」という言葉がしっくりこないし、「子供」という根拠はそれとなくある。何度考えても「大人」という結論は出ない。
見た目だけだが、スーツをきた自分は少し大人っぽく見える。
仕事をし始めたら大人になれるのかな。