また男の人が怒鳴っている。
ここ最近、副業的に食品工場で働くようになった。
今までやったことがなかったけれど、ライン作業が嫌いじゃないことがわかった。
要領を覚えてしまえば、頭の中では好きなことができるし、無心で作業するのも悪くない。
ときどきアレコレ取りまわすべきものが増えることもあるのだが、他の部署に迷惑さえかけなければ、パズルゲームを解くのと同じような感覚で処理できるので結構楽しい。
しかし、この怒鳴り声である。
出勤するのをやめようかと悩んでいる。
私はいわゆる「ジプシー」と呼ばれる働き方をしてしまいがちだ。
どこから生まれてきた俗語なのか知らないが「職場を転々とする人」という解釈で間違いない。
ジプシー化する人の理由は様々だろうが、私の場合は「仕事は好きでも職場環境がキツい」というのが非常に多いからだ。
正直、職場という環境にお給料以外のものを求めている人の思考がわからないのである。
怒鳴って仕事がうまく回る?休憩室の愚痴も苦痛だ
ときどき行くと男の人の怒鳴り声がするので、本気で辞めようかと悩んでいると職場の上司に打ち明けた。
改善される気配はあるものの、慣れ親しんだやり方をすぐに変えることはできないらしく、怒鳴っている。
怒鳴って仕事がうまく回るのだろうか?
怒鳴ることによって何を得ようとしているのかまったくわからない。ただ怖い。
内心ビビりながら業務終了でロッカー室に行くと、職場のおばちゃんたちが愚痴をこぼしている。今日の内容は「派遣で来ている人が自分が教えたことをやらずに他の作業をしているのが気に食わない」だった。
多分その派遣の人は、別の人から別のことを指示されたから離れただけだと思う。いや、そうじゃないかもしれないけど、それに不服があるなら現場で解決すべきだ。
こういった休憩室での横暴は結構あるあるだ。
一番引いたのは数日の単発アルバイトでいった現場の休憩室で、「私がいつも使ってるところ取られた!」といい年のおばさんが叫んでいたことだ。
無論、休憩室は完全共用である。取られる・取られないとか、ガキかよ。
おそらく職歴が長いであろうベテランに多い。共用のものに対して自分の所有的なことを主張するやつ。
「いつものところ」が自分の中で決まってくることそのものは理解できるが、だからといって「いつものところ」があなたのものになるわけではない。
こういった業務とは関係ない空気の悪さのアレコレに辟易して、プライベートでも気を病んでしまい、退職するのである。
この手のことは本当に仕事にならなくなる。
正直、大声で雑談しているのが休憩中に聞こえてくるだけで苦痛なのである。
おしゃべりとか友達作りとかは職場でやるべきことではないと思うのだが、それを求めている人も多いらしい。
なぜなのかは全くわからない。理解できない。
頼むから仕事だけさせてくれ。
「働いて、ただお給料だけ貰って帰りたい」というのは贅沢ですか?
仕事は最低限できるし、働くことそのものは好きだ。それでも仕事が続かない。
今後はなんとなく独立や在宅ワークに活路を見出すことになりそうだが、それも現状先が見えているわけではない。
なんだか働くことにはとにかくジレンマが多いなと思っている。
そのジレンマのメカニズムもまったくわからず、困惑するばかりである。
ただ働いて仕事してお金が貰えればそれでいい。
こういったシンプルなことがなぜ実現していないのだろうか。
それとも私が贅沢なことを願っているだけなのだろうか。
謎は深まるばかりだ。
いつか本当の意味で楽しく働ける日が来るのだろうか。