ずっと探していた求人を見つけ、恋人に背中を押されて応募

わたしの贅沢な悩みを聞いてくれ。

今の仕事はずっと憧れていたものだった。
すきなものに囲まれたお店。
販売員をして、おすすめ商品のPOPを書いて、社割で店内なんでもお得に買えて。

随分と機会を探っていた世界にやっと入り込めたのは半年前。
長年探していた求人をやっと、見つけた。
そんなに遠くなくて無理なく働けるし、勤務時間も問題なかった。
初っ端、弱気になっていたわたしは、WEB応募をするだけで何日もかかった。

その時の働き先には嫌気がさしまくりだったけれど、まさか自分が抜け出せるとは思っていなくて。こんな仕事がいいんじゃないと恋人も言ってくれていたその求人。
見つけたんだけど!でも落とされちゃうだろうな、とグズグズを言うばかり。せっかくだから応募してみなよと背中を押してくれたのも恋人。

WEBから応募して3日後くらいに面接の日取りを決めたいと電話があった。
電話口の人がものすごくいい人で安心した。
恋人に、「こういう電話くれる人って店長とか偉い人だよね?すごくいい人そうだったよ」と報告した。でもまだ怖がり続けるわたし。
「頑張っておい」でと言われ、「面接終わったら速攻で泣き電入れる!」と宣言した。
そんな電話は入れなかった。必死になり過ぎて喋ったことと結果待ちで頭がいっぱいで、そんなわたしを心配して、かなりショックなことがあったのかと向こうから連絡してきてくれた。

採用の連絡があった時も一番に恋人に報告した。それからは働いていてあった出来事を逐一話すたびに、楽しそうに聞いてくれている。

これはわたしが初めて、自分のしてみたいことを考えて選んだ仕事だった。
それまでは通いやすさと時給ばかりみていた。
面倒だし接客仕事は避けていた。
我慢して心擦れながら働いたお金で趣味を満喫すればいいと思っていた。でも心の中でやっぱりどこか、すきを仕事にする人を羨んでいた。でも自分には無理だろうなと決めつけていた。

仕事とすきの境がなくて、いろんなことに悩んでいる

今の仕事は家からのアクセスはかなりいいのに時給は最低賃金。
でも、ひとつ前の仕事と比べて月に倍は稼いでいる。
そして販売員として毎日接客をしている。
わたしは人がかなり苦手で、知らない人はもっと無理で、よく飲食店のバイトでお客さんに泣かされていた。呆れるほど泣いた。
そんなわけでかなり怖かったのに、なんとか今やっている。頑張れている。

むしろ仕事とすきの境が引けないことに悩む。
とても贅沢な悩みだとはわかっている。

おすすめしたい商品の入荷がないと悲しいし、たくさん積むほどの在庫がないとPOPは書かせてもらえない。せっかく書いたPOPや感想を採用してもらえないことも多々ある。ネット社会だから重箱の隅をつつかれやすいので、排他的な宣伝文句はかなり厳しくチェックされる。言い方を考え直すよりも、「そうじゃなきゃこの良さは伝わらないのに!」とむかついて投げ出してしまうことが多いのはわたしの課題。

家でも常に持ち帰り仕事をしている。
でも新作を見るのが趣味だし、新作が良かったらPOPを書いたりと仕事に繋がるし、すきなんだから大丈夫でしょと思いたい。けれど休みの日にそればっかりで、翌日普通に出勤すると休んだ感じがしないなと苦しくなってしまう。

それから社割の尊さ。
割引がきくと思って買い過ぎてしまう。お金がどんどんなくなって、わたしの部屋にものがどんどん増える。情けない。

良いと思った品物が売れないと悲しい。
世の中どこもやっぱり商売なので、い良いと思って絶賛する人がいたとしても売れないと廃れていくのだ。
好みのジャンルがマイナーになっていることにも焦る。

恵まれているからこそ迷惑をかけたくない、と悩む

こんなに恵まれたのは初めてだと思う先輩たちについても悩みがある。

みんないい人ばかりでいつも助けてもらっている。
いろいろなことを嫌がらずに教えてくれるし、どこかへ行ったら差し入れなどを快く分けてくれる。

だから、迷惑をかけたくないと思う。一番新米で何もできなくてそんなわたしのために仕事を増やされ時間を割かれているみなさんを申し訳なく思う。
迷惑をかけたくないなと怖がるあまりに顔色を気にし過ぎていて、あんなにいい人だとわかっているのに、あの人が今機嫌悪そうなのはわたしのせいなのか、わたしは嫌われっているんじゃないか、と考えてしまう。

憧れだったはずの場所に飛び込んで、自分なりに120パーセントで頑張って上手くいかなくて泣いている時、世の中の人はどんな思いで働いているのかなと思う。
働かないと食べていけない世の中もなんだかなと思う。働くことが軸と定められたわたしたちの人生について考える。

きっと贅沢すぎるわたしの悩みを、誰か聞いてくれ。