友達になりたい。最近、会社にそんなふうに思う人がいる。
「この人と私は似ているところがある」と思った人は私より年上
話をするようになってすぐ、「あ、この人と私は似ているところがある。この人は私のことを理解してくれるかもしれない」と思った。
机の上もパソコンのデスクトップも他人から見たらただのごちゃごちゃに見えるけど、本人にはどこに何が置かれているのかちゃんとわかってるんだろうな、わかるわかると密かに共感した。
また、「はま寿司とくら寿司は別人ですよね?」と聞いた時に、「いや人じゃなくて店だから!」なんてつっこみも入れず、ひっかかる間もなく「うん別人だよ」と返ってくるあたり、通じるものを感じた。
一緒に仕事をしたり、昼休みに二人で話をしたりするうちに、職場でだけ会い職場でだけ話す同僚では物足りなく、より距離の近い友達になりたいと思うようになった。休日にいい散歩コースを見つけた時に、ここを一緒に歩けたら楽しいだろうなぁと、その人を思った。
自分より「大人の人」と友達になれるものなのか?
23歳の新入社員の私と、40代のその人。大人の人と友達になりたいと思ったのは、初めてのことだ。
今まで友達になりたいと思ったのは、学校やアルバイトの年齢が近い人たちに対してだったので、距離が近づくのも連絡先を交換するのも遊ぶのも、自然にスムーズに運んだが、相手が大人の人となると急にわからなくなる。
たった今その人のことを「大人の人」と書いたが、私も23歳で社会人だし、もう大人の一味なので、その表現が合っているのかはわからない。会社にいると自分より年上の人ばかりで、その人たちは、大人の私から見てさらに「大人の人」なのだ。
大人の人と友達になれるものなのか、何がどうなったら二人は友達といえるのか、そもそも目上の人に対して友達になりたいと思うことは失礼にあたるのではないか、そういえばよく巷で議論される男女の友情は成立するのか問題も年が離れた男女なら成立するのかもしれない……。
話が逸れつつ大人の人との距離感について考えを巡らせ、答えが出ず、まだ友達になりたいという気持ちはその人に伝えずにいる。
同僚ではなく、友達として話したいと思えばきっと友達になれるはず
4月から社会人として大人の人たちと一緒に仕事をするようになって、大人の人との距離感について考えたことは今回だけではない。
上司と部下がフレンドリーに話せる方が嬉しい派と上司は威厳を持つべき派で議論をしたことや、休憩時間や食事会の席で近い距離感で話していた先輩や上司から、仕事でキリッビシッと指示をされた時、一瞬怒っているのかと考えたが、これが仕事中とそうでない時のメリハリかと姿勢を正したことがあった。
どんなに近い距離感でコミュニケーションをとって距離が縮まっていたとしても、「友達」「仲良し」ではなく、上司と部下という関係であることは変わらないし、メリハリをつけて接さなければいけない。
同僚としてだけでなく、友達として話したいとお互いが思えば、きっと自然に友達になれるはず。いつか一緒に散歩できるといいなと淡く期待を持ちながら、急がず、ゆっくりと丁寧に関係性を築いていきたい。