東京に引っ越して早1年。社会人になってからも早1年。仕事にも少しずつ慣れてきて、もうすぐ後輩ができます。
そんな私が今会いたい人は、3年前の自分です。
3年前の今頃といえば、インターンや就活が目前に迫っていました。
関西出身で彼氏も関西にいて、中学から続けている英語とドイツ語がある程度話せる私は、自分の将来を大きく左右するであろう「就職」という壁にぶつかっていました。
関西に残るか、関東へ行くか。日系企業で働くか、外資系企業で働くか。
うーん、日本に留まらず外国で働きたいかも。いや待てよ、そもそも就活する?
結局、私は普通に就職しました。東京の日系企業に新卒として入りました。実に普通すぎます。
諦めたことは多くあります。彼氏とは現在遠距離で、同棲はおろか結婚は夢のまた夢。仕事では外国語なんて一切使っていません。
時々3年前の自分に会いたくなります。当時想像していた世界とは全く違う世界で今は生きているからです。
もしあの頃、違う道を選んでいたらどうなっていただろう。彼氏と同棲して、今頃結婚してるかもしれない。外国人に囲まれ刺激的な毎日を送っていたかもしれない。学問の道に進んで、知的好奇心を満たしていたかもしれない。
3年前の自分は、今の自分にがっかりするだろうか。そして、3年前の自分に会えたなら、今の自分はなんと言うだろうか。
3年前に書いた私宛のメッセージに返事を書く。「私は幸せ」と
3年前の自分へ。
あなたは就活に悩んでいた頃、3年後の私宛に文章を残していましたね。
「就職するのはドイツの医療系企業がいいかなと思っています。その仕事の中で身につけたい能力は2つあります。まず語学。英語とドイツ語の理解力と表現力を上げたい。もう1つは、自分自身や自分の考えを表現すること。ゆっくり考えられる文章ではなく、プレゼンやディスカッションなど特に速さが要求される場面で。
仕事以外でのお願いは2つあります。まず、私が好きな文章を書くことを続けてほしいです。もう1つはもっと他人主義になってほしいです。相手の立場に寄り添える人です。見本となる人は今近くにいるけれど、その人のことは今も大切にしていますか?」
メッセージありがとう。3年後の自分からお返事をさせてください。
「今はドイツの医療系企業ではなく、東京の日系企業で働いています。仕事では、目標の2つ目、特に速さが要求される場面で自分の考えを表現するという能力をつけるために頑張っています。1年目にも関わらず私がファシリテーションをする打合せがあって、そこでは積極的に発言しています。プレゼンの機会も多くあり、最近は質問に対するスピーディーな返答を訓練しています。
語学は仕事では使っていないけれど、今もオンライン英会話をしています。文章を書くこともやめていないし、最近は私のエッセイが採用されてあるサイトに載ったんだよ!そして大事な人とは、物理的な距離はあるけれど、心の距離は3年前よりも強くなっています。幸せだよ。
あの時あなたがしたかったことを、働きながら続けています。だからがっかりしないでください。あなたの意思を引き継いで、今を生きています」
文章は「タイムカプセル」。書くことで過去とも未来とも対話できる
人間は今しか生きられません。どれだけ後悔しても過去には戻れないし、どれだけ望んでも未来を知ることはできません。けれど文章というのは「タイムカプセル」なんです。
文章を通して、時を隔てたあの頃の自分に会うことができます。過去の自分に向けて書くことで、過去と対話ができます。過去の自分が未来に向けて書いた文章を読むことは、未来との対話です。
この週末にでも、未来の自分宛にタイムカプセルを埋めようかな。