連絡とったのもその数ヶ月前だった。まだ生きててほしかった
拝啓、2年前に空に旅立ったあなたへ
もし今あなたに会えたなら。
10年会えていなかった分、会って遊びたかったよ。
就職活動の話とかも聞きたかったよ。
正直さ、まだ生きててほしかったよ、純粋に。
連絡とったのもその数ヶ月前だったじゃん。
私が仕事で異動して間もなかった時だったし、頑張ったら帰省して会えたんだよ。
ねぇ、2年前の夏、あれだけ危険予知トレーニングを私たちがいた地域活動のグループで学んでいたのに、なぜ激流の沢の中を登ろうとしたの?
私がその話を聞いていたなら、全力で止めてたよ。
帰らぬ人にあなたがなるとは全く思ってなかったし、仕事の夏休み期間で埼玉に帰った時にでも、会いにいけるのかなって私は思ってたよ。
「亡くなったの」
そう友達から話を聞いて涙が止まらなかったの。
空から見てたかな。
お見送り行けなくてごめんね。
葬儀の日に友達に手紙を託したんだけど読んでくれたかな。
かつて私と文通していたあなたのことだから、久しぶりに送った手紙を読んでくれたよね、きっと。
あなたは私にとって、いつまでも妹みたいな存在の子でした
あなたは私にとっていつまでも妹みたいな存在の子でした。
高校や大学での頑張りも知ってたし、その姿を見て我が事の様に嬉しかったのは今も覚えているんだよ。
でも、もうあなたはいない。
どこを探しても見つからないしいないということが私は信じられないんだよ。
そして時が経つにつれてあなたの顔や声、初めて会ったときの研修会でのあなたの姿の記憶がだんだん薄まっていくの。
嫌だよ、なんで逝っちゃったの……。
旅立って逝かないでほしかったよ。
助かってほしかったよ……。
ねぇ、私はいっぱいあなたに聞きたいことがあるよ。
なぜ、天候急変しやすい時期の中で沢登りに行ったのか。
なぜ、空に旅立つ選択をしたのか。
なぜ、私たちの目の前からいなくなったの?
でもね、もう一つ確実に言えることもあるんだよ。
もうあなたは私たちの目の前にいないけど、心の中ではずっと生きている。
私は最初で最後になった出会いの場である研修会での、元気いっぱいで無邪気な、当時中学2年生だった時のあなたの姿で止まっているけど……。
せめて大人になった姿を見たかったな。
空へ逝って今年で2年だけど、今でも変わらず、ずっと大好きだよ
私があなたのところへ行く時はもう少し後になると思う。
きっと、シワシワのおばあちゃんになっているのかな。
そのときは「老けたね〜」って笑ってね!
そしたら、「あなたも老けたじゃん!」って言い返すから!
シワシワのおばあちゃんになった私をいろんなところへ案内してね。
でも歩くスピードはゆっくりめでお願いします。笑。
あなたは今、空でどんなことしていますか?
就職活動中かな?もう内定先決まったのかな?
決まってたら内定のお祝いしないとだね!
そんな私は今、前職を辞めて、本屋さんでアルバイトしながらのんびり過ごしているよ。
私の大好きな妹みたいだったあなたへ。
空へ逝って今年で2年だけど、今でも変わらず、ずっと大好きな妹だよ。
地上と空、今住んでいる場所は違うけれど、いつかまた、10年前の様に研修会じゃなくても会って遊んだり、お互い大人になったからお酒飲んだりしたいね。
だから空でもう少し待っててね。
地上であなたの分までしっかり生きてから、あなたに会いに行くから。
本当にシワシワのおばあちゃんになっている可能性大だけれど、びっくりしないでね!
またね!
もう一度言うよ、
妹みたいなあなたへ、ずっと大好きだよ!