私の「ひとり」の楽しみ方は「片思い」だ。毎日好きな人を想っている。

でも、そんな日々ももう4年だ。短いようで長いような4年という時が経っているのだ。
友人には「いい加減諦めろ」と言われる。「男はこの世にたくさんおる」といい人も紹介してくれた。デートにも行った。友人に紹介してもらった相手はいい人ばっかりだったからどのデートも楽しかった。

幸せになりたいのにその一歩を踏み出せない。どうしてだろうか

でも、なかなか「好き」とまではいかない。相手が好意を持っていてくれても「あ、この人何かいいなあ」と思える人でも最終的に辿り着くのは「なんか違う」だ。付き合うまでいかない。1回か2回のデートで終わってしまう。どうしてだろうか。

わりと人を好きになる体質だと思っていた。たとえ「好き」という感情がまだなくても、付き合っているうちに「この人が好きだ」という感情が生まれるかもしれない。「幸せだ」と感じる瞬間があるかもしれない。
でも「付き合いたくない」という私がいる。幸せになりたいのにその一歩を踏み出せない私がいるのだ。どうしてだろうか。ずっと疑問だった。

最近また友人に紹介してもらった人とデートに行った。海が見える街へカフェ巡りに行って美味しいご飯もたくさん食べて、山にも登ってたくさん歩いて運動になって、綺麗な青色をした海が見れて、一石二鳥いや一石三鳥でとても楽しい1日だった。

「この人の前では私らしくいられるなあ」
これがこのデートの感触だった。今までにない感じ方だった。
でもやっぱり、この言葉が最後に頭に浮かぶのだ。
「あの人はどうしているのだろうか」
「あの人だったらもっと楽しかったのだろうか」

思い出すのはいつもあの人。叶わない恋を4年も想い続けている

楽しいプランを立ててくれたその人に申し訳なかった。今までのデートだって、どんな瞬間でも思い出すのは「あの人」だった。
私は「あの人」によく「君はアホだねえ」とよく言われていた。

そうだよ。私はアホだよ。叶わない恋を想い続けている。もう4年もずーっと好きなんだよ。
会えていなくても、「あの人」を思い出さない日はなかった。これはきっと「未練」なんだろうね。周りから見たらめちゃくちゃアホなんだろうね。でも「想い続けていたい」。今はそれが活力だ。

初めて会ったときに「笑顔が似合う人、初めて見た」と思ったのも、こんなに誰かを好きになれたのも、自分がダメになったのも、たくさん泣いたのも、今を頑張ろうと思えたのも、「アメンボがいる川は綺麗なんだよ」と教わったのも、公園で一緒にサッカーをやったのも、フィルムカメラで写真を撮ることが趣味になったのも、大嫌いだった春が好きになれたのも、どれも全部全部世界でいちばん「楽しかったよね」という片思いだったから。

大切な「片思い」を思い出すのが、私の「ひとり」の楽しみ方

どんなに楽しくてもきっと超えることのない大切な思い出だ。その思い出があるだけで生きていける。そんな「片思い」を思い出すのが、私の「ひとり」の楽しみ方だ。

ああ、こりゃ一生独身だなあ。やっぱり私は世界でいちばんアホかもしれない。自信がある。
父さん母さんこんな娘に育ってごめんよ。弟よ。託した。
今までデートしてくれた人よ。ごめん。
そして「あの人」へ。ありがとう。幸せになれ。