昔の私に、あなたが選んだ大学は間違っていないと伝えたい

もし今あなたに会えたなら、「あなたの選択は間違っていないよ」と伝えたいです。

今頃あなたは、どこの大学に行くか悩んだ結果、最後に合格を貰った大学での生活を始めたころでしょう。
2月も真ん中を過ぎると受験が終わった友達が増え始めたし、家族は「これ以上頑張らなくても受かった学校で良いじゃない」なんて思っていたかもしれないけど、勉強を続けたのは半ば意地になっていたからでしょうか。
仲の良い友達とはお互いに応援メッセージを送って、高校や予備校の先生とは受験直前に話し込んで……絶対無理だと思っていた大学に受かったのは、そういう人たちの支えのおかげでもあると思います。

入学してすぐのあなたにとっては、見るもの全てが新鮮に映ることでしょう。
日本中から集まった学生たちと、今まで縁遠かった町で、今まで縁遠いと思っていたことについて勉強することになりますから。
大学の勉強は想像よりも大変だろうけど、一緒に乗り越える人たちとは、今までとはまた違った絆が築けるはずです。日々の生活の中で、折々の学内行事で、お互いのことを知り思い出を積み重ねていくことになりますから。もしかしたら一緒に旅行するくらい仲良くなれる相手だって出来るかもしれません。
そうそう、きっとあなたの何十倍もの映画を観ている人が、あなたの映画の感想に対して楽しそうに耳を傾けてくれることだってあるでしょう。ただの趣味が、人を繋ぐ縁や、学びの一歩になることだってあるはずです。

もしかしたら、入学の決め手の一つであった一人暮らしも出来るかもしれません。友人たちを呼んで皆でたこ焼きを作ったり、バイトを始めたら学校や学年の枠を超えた友人を作ったりすることだって可能になるかもしれません。
共学生活にはなったけど相変わらず恋人はできないかもしれません。でも、愛を注ぎたい、愛を注いでくれる相手が沢山できるから、恋愛という形ではなくても満たされることでしょう。

バトンを繋ぐように。合格はゴールではなく、新たなスタートだから

今までのあなたは「尊敬できる人」を聞かれても、思いつかなくて何となく俳優とか歌手とか、自分とは身近ではない人の名を口にしていたはずです。でも、様々な人がいる大学ですから、身近なところで尊敬できる人たちにも会えるかもしれません。

例えば、人生経験を踏まえて助言をしてくれるけど、決して年下のあなたを馬鹿にするわけではなく飽きるほど議論してくれる驚くほど誠実な人。叱られて落ち込むことだってあるかもしれないけど、悪意で言っているわけではないとすぐに気づくはずです。
そんな尊敬できる人ともし出会えたら、絶対に縁を捨ててはいけません。そんな人たちに出会え、一緒に沢山の時間を過ごせるのは今だけでしょうから。

受験勉強に励み、その大学を選んだあなたは、否、3年前の私は、大学での生活を通じて少しずつ今の私に成長していきました。
合格はゴールではなく、また新たなスタートでしかなくて、まるでリレーのバトンが次へ渡るようなものなのではないでしょうか。

私がバトンを渡す時はいつなのか、正確なことは何もわからないけど、今はもう少しあなたから受け取ったバトンを持って走り続けたいと思います。