半年でバスケ部を退部。友達のいない塾。輝きを失った中学時代の私
「学生の頃に戻りたい」という人が嫌いだ。
過去の栄光をいつまでも引きずって、今を変えようとしない。
でも私が1番会いたいのは中学時代の自分自身だ。
私の中学時代が輝いていたわけじゃない。むしろその逆である。
中学生になった私は、某バスケ漫画に憧れてバスケ部に入部した。が、そもそも運動ができず精神的にも肉体的にも限界が来て半年で退部した。
運動が出来ないとわかった私は、勉強をして何とか巻き返そうと思った。
それは簡単な話ではなかった。
部活を半年でやめたせいで中学時代はどんなに良い成績を取っても評価は低く、元部活の顧問に挨拶しても無視されていた。
このままじゃダメだと思い、身の丈に合わない難関校を志望し、そこに合格することを目標にした。
受験に受かるために塾に通っていた。しかし、その校舎が閉鎖することになり同じ系列の家から遠い塾に通うことになった。
周りに友達なんていない。
ひねくれていた私は勉強するために通っているのだから友達なんていらないと思っていた。
しかし、そんな私にもみんな優しく接してくれた。段々居心地が良くなり、塾に通うことが楽しくなった。
ある時、仲良くなったひとりの女の子に何気なく「○○くんってかっこいいよね」と言った。中学生の恋バナなんてよくあるもので、その時は楽しく話して最後に「誰にも言わないでね」と伝えた。
友達に陰口を叩かれ先生には無視される。学校も塾も苦痛だった
その次の日から塾の空気が変わった。
私を見てはクスクスと笑う声、今まで話しかけてくれた人達が無視を始め、完全に孤立した。
なぜこうなったのかその時も今も分からない。ただ何となく察した。「誰にも言わないで」なんて言葉、守るわけがないのだ。そして悪い方向へと考えが偏っていった。
どこに行っても同じ運命を辿ることとなった私は、たった10年ちょっとの人生に疲れてしまった。
教師に好かれなければ理不尽な理由で怒られる。
友達と思っていた人からも嫌われ、陰口を叩かれる。
元々社交的だった性格は、だんだんと変わっていき人と関わることが苦手になった。
学校に行くことが辛くなった。
声を殺して何度も泣いた中学生の私に、よく頑張ったねと伝えたい
部屋に閉じこもり、声を殺して泣いた。
朝が来ることが怖くなった。
何もしていなくても涙が流れた。
自傷行為をすることもあった。
ストレスで白髪が大量に生えた。
でも学校に行くこと、塾に通うことを辞めなかったのは周りを見返したかったからだ。
認められたかった。
別に学校に行くことが善で、不登校は悪だとかそんな事思ってない。
むしろ自分をストレスと感じる場所から遠ざけるという選択を、自分自身で出来る人はすごいと思う。
当時の私にはその考え方ができなかった。
極端に、学校に行くか、死ぬかの二択しか考えられなかった。
承認欲求と復讐心を糧に、必死に勉強して志望校に合格した。
しかし、環境は何も変わらなかった。
でも自分の中では大きな自信につながった。
たった3年間でたくさん嫌な思いをした。
人の嫌なところを沢山見た。
この濃密な3年間を耐え抜いた中学の私へ。
あなたはよく頑張った、本当にお疲れ様。
これからもっと辛いことがあるかもしれないけど、この先は大丈夫。
助けてくれる大人や友人、先輩、後輩に出会えるからね。
1人で抱え込むことはもうしなくていいんだよ。
本当にありがとう。