同じ色の服ばかり買ってしまう私。色彩感覚があったら良かったのに
色彩感覚が欲しい。人生で今ほど、そう思ったことはない。
最近、タンスの中を整理して驚愕した。
似たような色しかない!
ズボンは紺色ばかり。上に着るものも、冬物は茶色、薄茶、こげ茶、黒。夏物に至っては全てボーダー柄の紺、紺、黒、赤、緑のシャツなのだ。極めつけは、全ての服が某大手ファストファッション店か、某良品店で購入したものということである!
この世には数えきれないほどのブランドと色があるというのに、無数の中から同じものばかり選んでいては損をしている気がする。もっと鮮やかな色を着たい。
そんな気持ちを後押ししたのは、職場の人たちである。なんと職場の人たちも、私と同じような服と色を着てくるのである。
つまり、冬だったら全体的に茶色系統セーター、夏だったら色とりどりのボーダー集団の出来上がりである。私の職場は私服で働けるのに、一同で統一感を出されると、なんだか制服っぽい。仕事中に個性を出す必要はないが、これほどまでにシンクロすると、職場の人とは違う色を着たくなる。
ここにある色以外の服を買おう。暗い引き出しの中を眺めながら、ささやかな誓いを立てた。
とはいうものの、闇雲に買うのではなく、自分に合った色を買わねばダサくなってしまう。自分には何色が似合うのだろう?
服屋で黄色や赤の服を重ねてみても、似合っているのか確信が持てない。今穿いている紺色のズボンに、今買おうとしているサーモンピンクのカーディガンは合うのだろうか?
カーディガンの下に着るシャツは、何色がいい?
元々のセンスの問題なのか、はたまた長いこと寒色系の色ばかり着ているために色への直観力が鈍っているのか、わからない。
色彩感覚がキレていれば、こんなことに時間を食わないのに、とイライラしつつ、迷って、結局買うのをやめて、新しい服選びはいつも未遂で終わる。
はじめてのパーソナルカラー診断。タンスを彩る「旅」のはじまり
そんな私に朗報。世間にはパーソナルカラーというものがあるらしい。人の肌、髪色などによって似合う色の傾向がわかるらしいのだ。ネットで検索すると、いくつかの質問に答えるだけで、パーソナルカラーを診断してくれるサイトがたくさん見つかる。どうやら春、夏、秋、冬と四季でタイプを分類するらしい。
早速、3つのサイトで診断をしてみる。
「口紅は何色が似合いますか」。いつも赤しか塗ってないから、オレンジやベージュ系の選択肢が出てもわからないなー。
「あなたの印象はどれですか」。大人っぽいとも、実年齢よりも幼く見えるとも言われたことがある場合は?
「瞳の印象は?」。選択肢の「瞳がふんわり」って、どういうこと?
選択肢に戸惑いつつすべての質問に答えると、診断結果は春、夏、夏と出た。
おおむね、夏タイプらしい。さて、夏タイプは何が似合うのかというと、ベースカラーにグレーや茶色、紺色、アソートカラー(ベースカラーの次に面積を取って見せる色のことらしい)に、パステルカラーの紫、青、黄色、アクセントカラーにローズレッド、ラズベリー色のほか、紫系の色、群青色、ライトブルー、アクアグレーだそうだ。
結局、寒色系統の色ではないか! 赤もおすすめされたが、どうも鮮やかとは言えない。
診断結果に文句があるなら、ダサいだのイカすだの面倒なことを言わず、好きな色を着ればいいじゃない? 半ば自棄になってそんなことを考えるが、はて、自分の好きな色がすぐ思いつかない。思い浮かぶのは……紺色だ……。
かつて好きだったから紺色を着ているのか、紺色を着続けているから好きになった(と錯覚している)のか、今となってはもはやわからない。
習慣とは恐ろしいものである。
診断によると、パステルカラーの黄色も似合うらしいので、とりあえず、その色の服でも探すか。タンスの中身を彩る旅が、始まる。