半年に一度、健康診断の如く歯医者さんに通っている。
歯医者さんなので誰かを連れてでもなく、ただ一人で行く。
その時のルーティンがあるのでご紹介したい。

歯医者のあとは豆花を食べに行く。美味しいものは心にも良い

まず歯医者さんは午前中に予約する。
そもそも早起きが苦手な私は、何かの予定がないと早く起きられない。
そのため、せっかくの休日を大いに有効活用するために、朝一番の10時を予約する。腕のいい先生で、大体30分かからずに終わるので、その後が有意義に使える時間となる。

ピカピカの歯にしてもらったら、早速おいしいものを食べに行く。
丁度近くに「豆花」で有名なお店があるので、そこまで散歩しながら歩いていく。ここは絶対に行くと決めている。
なぜなら、今まで食べた豆花の中で1番美味しいお店だから、という単純な理由である。また、豆花は長時間の持ち運びにあまり向いていないようなので(もちろん、できなくはない)、なるべく店内で食べるようにしている。
店内で食べる際は、温かい豆花にトッピングを全部載せで注文する。白キクラゲ、ハトムギ、緑豆、白玉、小豆……いかにも身体に良さそうなトッピング達と、温かく優しい甘さの豆花を1人で味わう。本当に身体に良いなぁ、なんて思いながら黙々と食べるのが楽しい。美味しいものは心にも良いなぁと思う。

気持ちがワクワクする、お気に入りの洋服屋へ

さて、豆花を食べ終わったら近くをウロウロする。
まずは、小さな洋服屋さんに入る。
ここは一見とても入りにくいお店だ。ガラス張りで透けて見える店内は高価そうなアクセサリーが並んでいる。それに休日にも関わらず、他の人の姿が見えない。また、ガラスの扉は閉まっているのである。つまり、開けるという明確な行為に加え、店員の人に必ず入店が認知されるという仕組みなのである。
こういう店に入ると性格的に何も買わずには出られない私には、重い扉だった。それでも、マネキンが来ている服がどうしても気になり、意を決して扉を開けたのが最初だった。

私はここでなるべく一着は服を買い足すことにしている。
ここのお店の何が良いって、店員さん達が、商品一つ一つを大切にしている事が伝わってくることである。直近では、ペルーの女性が手編みで編んでくれたというニットを購入した。
そういう、作り手の温度感が直接伝わってくるような買い物ができることで、自分の気持ちも良くなる気がする。
それに、大量生産されたものではないので、人との服の被りがほとんど無いことも嬉しい点である。
私は服選びが苦手だったのだが、このお店のお陰で、お気に入りの一着があると、気持ちがワクワクすることを思い出せた。

食と本+α。贅沢な、私だけの楽しみ方

服を買い足した後は、書店に寄る。
少し大きめの書店なので、気になっている本から、仕事関連の書籍、雑誌、漫画とひと通り物色する。そこで気に入った本を購入する。
書店は一人だと、自分の好きなペースで好きなだけ書籍を見て回れるので、気の向くまま気の向く書籍に手をかける。その時の本との出会いを楽しみにしている。

書店に好きなだけ滞在した後は、大抵お昼時を超えているので、最後はお昼ご飯をどこで食べるか決める。
立ち食いのおいしいうどん屋さんにするか、ハンバーガーショップにするか、それとも……と色々なお店をその時の気分で選ぶ。
決めたお店に入ったら、書店で買った本を早速読みながら、食事が運ばれて来るのを待つ。
そして、美味しくいただいたら、そのまま服と本を大切に抱えて家に帰る。
手元に何か物があると、それだけで嬉しくなる。もちろん、無くても良い。
この日はとことん自分の気持ちを大切に、好きなように過ごしている。家に帰っても、まだまだ日は高いので、幸せな気持ちに包まれた1日が続いていく。

私は大抵、一人で出かける時にはこのように過ごしている。食と本+α(今回は服だが、小物になったりもする)である。この贅沢なルーティンに、私の一人の楽しみ方が詰まっている。