人と一緒に過ごすのは苦手だ。
展示は自分のペースで見たいし、食事だって自分のペースで食べたい。公園を歩くのも草木を眺めて、時々写真を撮ったりしながらが楽しい。

基本的にひとりを楽しめる質なので、これといって具体的な例を挙げようとするとどのエピソードが1番良いのか分からない。
なので、直近にしたひとりでのお出かけを綴っていこうと思う。

ひとりの休日であれば、ふと散策を思い立つ自由も許される

その日の予定としては、ある展示を見に行くのが主目的で、それ以外には特に何も予定していなかった。
誰にも会わないので普段しないような派手目なメイクをして、普段の自身のイメージとは全く違う、可愛らしい服装を身にまとって、外に出る。これもひとり外出の醍醐味だ。友人と出かける時はその友人に合わせた格好をするけど、ひとりで外に出る時は、めいっぱいお洒落して、自分の好きな自分になって外に出る。

展示はじっくり見るタイプなので、ひとりで行き、のんびりと説明文などを読みながら時間をかけて一通り巡り、外に出る。

会場は駅から出てすぐの所にあり、そのまま地下鉄に降りて直帰しても良かったのだけど、ふと近辺を散策してみようと思いたった。
お洒落のために少し高いヒールを履いていたけど、少しくらい大丈夫だろう、と地下鉄への階段から離れて行った。

少し行くと、良い雰囲気のカフェがある。気になったけど、昼は家で食べてから外出したし、まださほど疲れていない。今日は良いかな、と店名だけスマホのメモに控えて、カフェから離れる。

もう少し歩くと、公園の入口を見つけた。中に入ると、犬の散歩をしている人が多くいる。家で犬を飼っているのでおそらく多少匂いがついているのだろう、道行く犬に少し気にされたり絡まれたりしながら、時々撫でさせてもらいながら、道を行く。これもひとりならでは。人と一緒にいると気を使ってしまって犬とは絡めず、目で追うだけになる。

少し行くと、川が流れていた。川沿いには梅の花がぱらぱらと咲いている。
賑やかに写真か動画を撮る外人さんの集団を横目に、花の写真を撮る。すぐには気に入った写真が撮れず、後に用事も無かったので気がすむまで何枚も。少し時間を経て、お気に入りの1枚が撮れた。SNSにその写真を投稿しながら、少し先へ進む。

ひとりの休日であれば、Googleマップなしに歩く自由もある

近辺の地図を見つけた。丁度定期圏内の駅を見つけたので、そこまでは歩いてみることにする。
「そうだ、今日はGoogleマップに頼らず歩いてみよう」
急にそんなことを思い立ち、地図を見て何となく頭の中に経路を叩き込み、その場を離れる。きっと迷子になる、そんな気はしたけど、ひとりだから良いかと思い直す。

公園を出て、少しするともう道が分からなくなる。なんとなくこっちだった、という勘を頼りに歩くと、坂を上ったり下ったり。道を幾度も曲がったり。方向感覚が狂いそうになりながら、なんとか地図で見た目印を見つけて安堵する。道中気になる店名を見掛けて、調べてみたらパブのような場所だった。私には無縁だったけど、店名とコンセプトは面白かったのでまた店名を控えておく。

軌道修正してまた駅へ向かう。大通りに出てしまったので特に面白いものは見当たらず駅に着いた。その頃にはすっかり脚が疲れきっていて、早く電車で座りたい、と思っていたのですぐに地下へ下りていく。
電車に乗り、家に向かう。今日の冒険は楽しかったな、なんて考えながら。

これは個人のこだわりなのだが、こういう時はイヤホンは絶対にしないと決めている。街中の雑踏、人々の雑談の声、車の通る音、木々のざわめき。溢れかえる音を聞きながら歩くのが、なんだかんだ1番楽しいのだ。