今わたしが一番欲しいもの、それは「捨てる勇気」かもしれない。
わたしは27歳の誕生日の後、今までの会社も住むところも大幅チェンジすることにしました。職種も変えて、日本から海外へ。チャレンジングな選択だと自分では思います。
そんな勇気はあるんです。ひょいっと決断してしまう。
けれど、何かを捨てて整理するのは結構苦手。
トキメク・トキメカナイで残すモノと捨てるモノを分けることは知っているけど、実践できる人って意外と少ないのではないでしょうか。
引越し準備で気づいた。わたしに一番必要なものは「捨てる勇気」だ
2022年の鬼退治の季節になった頃。
転職先が決まり、海外に出ることが決まったので、住んでたシェアハウスからひとまず実家に移る引越しをしました。
シェアハウスの個人部屋は5畳半。ロフトとベランダ付き。実家も6畳と、大差ない広さ。
わたしはそんな、こじんまりしたスペースで日々暮らしてます。
クローゼットには各季節で着れる服が3〜4着あるような、そんなにモノを多く持たない類の人間です。少なくとも、そう認識してる人間です。
シェアハウスということもあり、家具・家電はなく、服と雑貨とその他に分類されるようなものたちを、わたしは部屋においていただけなので、引越しの荷物は1人暮らしの人よりは少ないはず。
しかし、いざ引越すとなると、ゴミ袋2枚以上を使って優先度の低い服や雑貨を捨てることになり、「意外とわたしって捨てられないで色々持ってたんだな」と自分はモノへ依存してたことに気づかされました。
海外のお土産でもらった口紅数種類、300円で買った光る鏡、ずいぶん着てない部活Tシャツ(寝巻き)、ボロがきたカバン、いつか使うと持っていたショップバックなど、様々なものを捨てましたが、やっぱりまだまだ残るんだから不思議です。
わたしはこれから海外へ行くにあたって、この引越し荷物を最小限にする必要があります。だから、「捨てる勇気」が今のわたしに一番必要なのです。
これから預け荷物で一番大きい規格のスーツケースを買って、就職して住む予定のインドへの準備をします。
シェアハウスから実家への引越しでは、車を何度も行き来させて完了させたのに、インドで住むために詰める服や雑貨はスーツケース1つに収まるでしょうか。
「モノ」を捨てると、思い出も捨ててしまうな気がするから
引越しの時は決まって、思い出がぽろぽろと目の前にやってきます。
「あ、この本読んだ時すごく悩んでたな」「〇〇さんからの年賀状、こんなとこに挟まってた!」なんて発見と驚き、そして手紙を見つけてはほんの少し切なくも甘美な香りで胸がいっぱいになります。
わたしが「意外にも捨てられないものが多い」と感じた理由の1つに「いつも使わないけど捨てられないもの」が多いことがあると思います。
いつも使っていないから認識できていないけど、捨てずにずっと置いてるから移動するときにやっと気づくのです。
でも、それぐらい影の薄いやつだって、なぜかわたしの心を引き止める。本当に不思議。小学生の頃に友達からもらったストラップなんて、きっとあの子はもう忘れてるっていうのに。
思い出は消えないというけど、わたしはすごく忘れっぽい。
「ほら、あの時こんなことあったやん!?」なんて言われて思い出すフリを100万回してると思います。
モノがあると思い出しやすい。だからわたしはモノを捨てられない。
わたしにとっては思い出も捨ててしまうような気がしてしまうんです。
過去と未来を大きなスーツケースに詰め込んで、新天地へ旅立つ
こんな思い出が好きなわたしには、彼氏がいます。
別にサヨナラしようとも思ってなかったけど、もちろん頭にはよぎりました。
話し合いのもと、ついに彼は日本に置いていくことになりました。
わたしは少し後ろ髪を引かれる思いを抱いてしまってますが、そんな気持ちは捨ててしまって新しい生活を楽しみたい、楽しくても悲しくても、遠距離恋愛を受け入れられるように「今の幸せ」を捨てる勇気が欲しいものです。
全然過去に決別できないくせに、未来に向かって進む女はこれから一体どんな心境で新天地へ赴くのでしょうか。
もうなんだか、他人事みたいに面白がりたいくらいです。
「今まで」と「これから」を大きなスーツケースに詰め込んで、桜の散る頃に飛び立ちます。