「愛」って聞くとなんだか恥ずかしいし、むずむずする。
そんな私が何か語ってもよいのだろうか。
そう思いながらも今、書いている。なんて矛盾しているのだろう。
きっと読み返したら、穴があったら入りたくなるでしょう。

「誰か愛してくれないかな」と受け身だった私に起きた転機

「愛」と聞いて最初に思いつくのは、ベタかもしれないけど恋愛や結婚。
とてもキラキラしていて、映画やドラマのようにドラマティックで輝いているもの。
恋愛経験はほぼ無いに等しい私は、恋に恋する夢見るゆめこちゃん。
さらに、いつか王子様がやってくるかもしれないと理想だけを求めている、いわゆる「シンデレラ症候群」にかかっていた。
だれか愛してくれないかなと、受け身の状態だったのだ。

転機は昨年結婚した夫との出会い。
そこにはキラキラしたものはなかったけれど、交際を開始してからは、常に安心感があったように思う。
職場の先輩後輩の関係で、最初は何を考えているのかわからなくて怖かった夫。
だから最初にプライベートでご飯に誘われた時はびっくりしてしまった。
でも一緒にいるうちに、もっと一緒に過ごしたいなと思うようになった。
会ってお別れするときはさびしくなった。
それは何故なのかわからない。不思議なものだなと思う。
誰か教えて欲しいくらいだ。

「素」の自分も見せ合う、上辺だけの関係ではない私たち

私は家族が大好きだから、家族といる時間が何よりも好き。
でも家族以外で一緒に過ごしたいと思ったのは、夫が初めてだった。
素の自分でいられるのは、多分私のことを愛してくれるから。そして私もそう。
私は鬱やパニック障害、発達障害であるけど、それも全部受け止めてくれている。
辛い時はそばにいてくれて、ダメなことはきちんと指摘してくれる。
挑戦したいことは応援してくれるし、泣いているより笑っていた方が可愛いからその方がいいよと言ってくれる。

いいところだけ見ようとするような、上辺だけの関係ではない。
私は夫と過ごすようになって、良いことだけじゃなくて、改善した方がいいことをたくさん教えてもらった。
逆に私が言うこともあった。
知らないで過ごしていたらぞっとする。今頃最悪な人間になっていたかもしれない。
すべては直せなくても少しずつ、良くしようと考えるようになった。
いい面だけじゃなくて、お互い改善した方がいい点も言い合えるって素敵な関係だと思う。
私のメンタルは鬱のせいかジェットコースターのようなもので、時々衝突し合うけど、それでも一緒に過ごしている。
夫のおかげで私は生きていられる。

愛を知るには、お互いを知る必要がある。夫には長生きして欲しい

「愛」はドラマティックでなくてもいい。
日常の延長線で自然と感じるもの。そう思えたのは夫と過ごしている時間が教えてくれた。
私の恋愛に対しての幻想も解けたようだ。

でも、ひとつだけ……プロポーズについてお願いがあります。
仕事帰りにプロポーズしてよ!と私が駄々をこねた時に言ってくれたけれど、仕事帰りの疲れている時ではムードがなさすぎます。
少しだけ素敵な場所でもう一度言ってくれると嬉しいです。
例えば、レストランとか、大好きなテーマパークにあるホテルとか。
今の時代は女性から言うのも普通になってきているけど、私は男性から言われてみたいです。憧れなのです。

先程の訂正をすると、まだ完全に幻想は解けてないようです。
でも、鬱が悪化して、私が入院している時に結婚を決めてくれたこと、両親に話してくれたことには感謝しています。
なかなかできることじゃないと思う。ありがとうと一生感謝し続けると思う。

私より7つ年上の夫。できるだけ長生きして欲しい。
仕事で疲れてソファで寝ている夫の顔を見るたびに思う。
一日でも長く一緒に居たいから。
感謝を伝えきるのには、たくさん時間が必要だから。
「愛」を知るには、もっとたくさんお互いを知る必要があるから。