私が自分を変えるのに必要だったのは、自分は愛されていると知ることだった。
目立ちたがりだった私が、だんだん自分に自信を失っていった
私はこの春、大学4年生になった。もうすぐ22歳になる。学校、夢、バイトなど忙しいが充実した毎日を送っている。
そんなキラキラ学生な私なわけだが、実は13歳から21歳までの9年間、「自分以外になれるなら誰でもいい」と思って生きていた。
私は小さい頃、男の子っぽくて目立ちたがり屋な子どもだった。
小学生の頃は休み時間に男の子とボール遊びをするのが好きだった。みんなから注目されるのが好きで、授業では誰よりも手を挙げて発表していた。日曜日の朝に戦隊や仮面ライダーを見るのが毎週の楽しみだった。
自分でも今思い返してみて、この頃から変わり者だったなぁと思うが、当時はそんな性格でも困ることはなかった。友達は多かったし、毎日楽しかった。
そんな変わり者は中学生になった。そこで初めて、自分が受け入れられない環境があることを知った。
小学生の時と変わらないままの私は、思春期を迎えた周りの子と馴染めなかった。変な奴だと思われて距離を置かれるようになった。そこから私は悪目立ちするのが怖くなり、自分を隠すようになってしまった。
皆と同じでいられないことに嫌気が指して、次第に自信が持てなくなっていった。その成れの果てが「自分以外になれるなら誰でもいい」という考え方だった。
簡単に治らない「自分嫌い」。それでも、みんなが励ましてくれた
そんな私は21歳を迎えた年から変わっていった。
昨年、とあるきっかけで人と関わることが多くなって友達が増えた。世代は幅広く、自分より年下の学生から10歳以上離れたママまで様々だ。
特撮が好きで、実は一人称で「俺」を使う、とある俳優のヲタクをしている女子大学生。昔から変な奴なのは変わらないが、皆はそんな私を理解して仲良くしてくれている。
それだけでなく、皆は私のネガティブな一面も受け止めてくれている。「自分が嫌いだ」と言い張る私に、皆は「巡り合えてよかった」「あなたは凄いよ」「大好き」など、いろいろな言葉で私を励ましてくれた。それぞれの人が、何度も何度も。
そのおかげで「自分のことが嫌い」をなんとか「自分のことが好きじゃない」にまで変えることができた。
それでも、長年患ってきた自分嫌いは簡単に治るものではない。ふいに「自分以外になれるなら誰でもいい」と思っていた自分が戻ってくることも時折ある。
そんなときの私には悪い癖がある。それは、すぐに殻に閉じこもって勝手に孤独を感じてしまうことだ。みんなから励ましの言葉をもらっている現実があるのに、「自分はいない方がよかった」「私は何もできない」と思ってしまう。
せっかくもらった言葉をないがしろにしている気がして、申し訳なさを感じるようになった。自分嫌いを克服しつつある中で、新たに抱いた悩みだった。
親友の言葉が「周りから愛されている」と認識させてくれた
その悩みを、高校時代の同級生だった親友の男の子に相談した。
彼とは他の同級生も含めて夜な夜なグループ通話を繋ぎながらゲームをする。私は、ゲームをするために繋いだ電話のついでに、その悩みを打ち明けることにした。
大体説明し終えた後、私は「皆が褒めてくれるのめちゃくちゃ嬉しいねんで?だからちゃんと、覚えていたいのにさ。すぐ忘れちゃうんよなぁ。なんか、せっかく言ってくれてるのにって申し訳ない気持ちになる」と言った。
すると彼は「忘れても俺が何回でも言ってやるやん?」と言った。
これを聞いて、私ははっとした。私が何度も同じ殻に閉じこもったとしても周りから叩きだしてくれる人がいるのは、それだけ大事にされているからだと気づいた瞬間だった。
自分が思っている以上に周りから愛されているんだと認識して、私を愛してくれる皆のために自分を変えたいと思えるようになった。
自分が大嫌いな自分を変えてくれたのは、沢山の人がくれた愛だった。
私は本当に幸せ者だ!自分以外の誰にもなりたくない。