私には、熱狂的に応援して好きになったアイドルグループがいる。その名前は、秋葉原発のアイドルグループ・でんぱ組.incである。
10代の頃、YouTubeで見つけたMVをきっかけに、今でも曲を聴いては元気をもらっている。

メンバー全員好きだが、その中で推していたのは夢眠ねむさん。アイドルには推し色というものがあり、ねむさんはミントグリーン担当だ。夢眠推しを『ユメミスト』という。みんなからは「ねむさん」や「ねむきゅん」と親しみを込めて呼ばれていた。

「映像で観た人たちが目の前にいる!」とアイドルを前に感動

初めて1人で行った「WWD 大冒険ツアー2015」。人生初のアイドルライブでもある。ライブ会場全体に広がる、カラフルなペンライトやサイリウム。本番が始まり、メンバーたちが登場した瞬間、「映像で観た人たちがいま、私の目の前にいる!」と感動したのを覚えている。ライブで初めて聴いた曲も多かったが、好みの曲もたくさん見つかって楽しい1日となった。

それから初めて行ったアルバムのリリースイベント。渋谷のタワーレコードで行われており、好きなメンバーを選んで私物にサインをしてもらえるという内容。私は夢眠ねむさんと相沢梨紗さんを選んだ。ディズニーランドで購入し、愛用していたミニーのメイクポーチにサインをしてもらった。

最初は梨紗さんから。初めてのサイン会でどうしていいのか分からず、汗が出るほど緊張をしていた。私物に名前を入れてもらおうと思っていたが、スタッフさんから、名前を入れるのはお断りしていると聞いて落ち込んでいた。
すると、梨紗さんが「お名前は何ですか?」と聞いてくれて心が救われた。名前入れが出来ないことを謝りながらも、サインが終わるまで私の名前を何度も呼んでくれた。この優しさに心をぎゅっと掴まれ、「この人、好きだ」と思った。
ちなみにねむさんの時は、「来てくれてありがとね~!」と声を掛けてもらったのにもかかわらず、緊張するあまり何も話せずにサイン会が終わった。お二人にサインしてもらったメイクポーチは今でも大切な宝物だ。

イベントに参加したとき、大好きな2人との大切な思い出

でんぱ組はリリースイベントの他にも、生誕祭、個展、秋葉原ディアステージでの3部制イベントなど、メンバーとファンの交流を大切にした機会がたくさん行われていた。
サイン会の出来事をきっかけに、梨紗さんの個人イベントにもよく足を運んだ。秋葉原ディアステージで、梨紗さんが手料理を振る舞ってくれる『りさごはん』という不定期の料理イベントがあった。抽選倍率が高かったのだが、私は運良く1度だけ行ったことがある。そのときの手料理は、アボカド入りのマグロ丼だった。
お客さんの見送りをする時に梨紗さんが、「今日は来てくれてありがとうね~!」と言ってニコニコしながら、私が帰るまで壁から顔をヒョコッと出し、ずっと見送り続けてくれたのは今でも鮮明に覚えている。メイドとしても働いていた経験のある人だから、優れたサービス対応も尊敬するし、同じ女性として可愛い人だなと思った。

ねむさんとの思い出も、たくさんありすぎて全部は書ききれないのだが、その中で鮮明に覚えていることを。ねむさんも秋葉原ディアステージで、不定期の料理イベント『夢眠軒』を行っており、こちらも運良く1度だけ行ったことがある。手料理はエビチリ丼だった。推しメンの手料理を食べることが出来る貴重なイベントに参加できて幸せだった。
イベントでは、『チェキくじ』という1回500円で引けるくじがあった。1人、2回まで引くことができる。ディアステージ所属のアイドルの子たちが写るチェキの中に、イベント当日に撮影されたねむさんのチェキも紛れているというもの。
夢眠軒に参加している者は、ねむさんのチェキは狙うものだ。私もくじを引いたら、1枚ねむさんのチェキを当てることができ、くじを担当していたスタッフの子からも「おめでとうございます!」と声を掛けてもらった。

でんぱ組のオタクを経験して、人を愛する大切さを知った

他にも2018年のリリースイベントでのツーショットチェキ会にて、2人でゼクシィを持ちながら撮ったのも良い思い出だ。ねむさんがゼクシィを見ながら、「私にはまだ早いな~」と言っていたのを覚えている。
厚かましいかもしれないが、推しには結婚して幸せになって欲しいという気持ちが大きかった。そして、2019年の12月に夢眠ねむさん結婚のニュースを知った。ねむさんの結婚報告を聞いた時は、自分のことのように喜んだ。

アイドルオタクとして熱狂していた時間。でんぱ組のオタクを経験して本当に良かった。消極的で人見知りだった私が、たくさんの人たちと出会えることが出来たし、貴重な時間を過ごすこともできた。
私にとって、でんぱ組.incは心から幸せになってほしいと思える人たちだ。家族以外でも、人を愛することの大切さを教えてもらい、そんな人たちと出会えることができて私は幸せだ。