正直、断捨離が得意ではないので、捨てられないものがいくらかある。
その多くはノートであり、今はこうやってスマホやデジタルで文字を書いたり、絵を描いたりしているので出番は無いが、少し昔まではそれは、紙やアナログでしていたからか、「なにかの拍子で使うかもしれない」と随分と昔に貰ったノートを大切に保管していたりする。
アナログイラストを好んでいるのも、抜けきれていないのも要因のひとつかもしれない。
小物もノートに比べれば、捨てられているが、些か残っていたりする。

そんな、私の持ち物の中でも変わった「捨てられないもの」がある。
それは、とある「お土産」と「誕生日プレゼント」だ。

私のものではなく、友人のためのキーホルダーとプレゼント

お土産を買ったのは、中学2年ぐらいだった。
当時、仲の良かったクラスメイトの友達がユニバーサルスタジオジャパンに行く機会があったので、その時ストラップをお土産として買ってもらった。
2人いたので、ハローキティとスヌーピーのキーホルダーだった。
片方の友達には渡したのだが、もう片方の友達は段々と学校に来ないことが多くなっており、冬休みを開けるともう完全に来なくなってしまっていた。
そのため、お土産として買ったキーホルダーを渡す前に中学を卒業してしまった。

もとより、私は関係を維持する事が苦手で、一人っ子なこともあってかひとりが普通という認識も重なって友人関係が長続きしないタイプだった。
向こうも、ネットで生きているような人物で、書いてる事の何処までが本当で何処からが嘘なのかも分からないような人でもあったので、自然と消滅した。

もう一方の誕生日プレゼントは、このお土産を渡した方の友人に宛てたものだった。
珍しく、私にしてはクラスという箱庭がなくなってもしばらくの間友人関係が続いていた人物だった。
と言っても、長期休みにカラオケに一日遊びに行く程度の仲ではあったが。
その子は、秋が誕生日だったため、冬休みにクリスマスプレゼントも兼ねた軽いプレゼントを渡していた。
と言っても、お小遣い制の高校生のプレゼントなので、ハンカチといった軽いものではあったが。

渡す機会を失ったプレゼントは、うちの子になってもらおう

それは、高校2年生の冬のときであった。
プレゼントも買い、予定も決めていたのだが、確かその日にその子の体調があまりよろしくなかったそうだ。理由は何だったのかは、はっきりとは覚えていないが兎にも角にもその冬はカラオケに行く機会が無かったことだけは確かだった。
そうなるとどうなるか?
次にやってくるのは高校3年生であり、つまり大学受験勉強だ。
ついでに、コロナもその後やってくる。

関係を維持する事が苦手=必要以外の連絡をする事が苦手ということであり、そこまで趣味のゾーンが似ていたわけでもなかったので、高校生の1年間でその友人関係も自然消滅してしまったのだ。
つまり、こちらもプレゼントを渡す機会を失ってしまった。

中身的に、今更渡すのもなぁ〜と思い続けて、それでもそのまま残し続けてきた。
捨てることもせず、渡すこともせずそこにあるものとして部屋の飾りとなっていたそれらを。
こうやって、文章として昇華すると気持ち的にもまとまってきたようにも思えるので、もうそろそろあのキーホルダーとハンカチには、うちの子になって貰おうかと思う。

関係はなくなっても、過去にそういう友人がいたという記憶は残り続けるだろうから。