30歳を目前にして、周りは結婚、出産の話題ばかり

「世界で一番幸せなお洗濯」という文章とともに、赤ちゃんの洗濯物を干す同級生の幸せそうな笑顔の写真をSNSで見かけて、思わず「うわーっおめでとうっ」って、つぶやきました。

30歳を目前にして、友達はママになった一方、私は離婚して独身を選んでいる。
子どもとの新しい生活に幸せを感じる友達と、離婚して新しい人生に幸せを感じる私。
人の喜びとか人生の物語って、本当に人それぞれだなあ。
私は今まで、子どもを産むことを本気で考えたことはなくて、せっかく女性の体で生まれてきたし、いつか出産出来たらいいな、程度の気持ちでしかいませんでした。

でも、出産にはタイムリミットがつきもの。
年齢が上がれば上がるほど出産は難しくなるという現実は、40代の友人の妊活を見て痛感しています。
医者になった友達も、
「子どもは早く産むに越したことはないよ。私たちでももう遅いくらいなんだから」
と言います。
今まで集まっては趣味や将来の夢で盛り上がっていた友達との会話も、「もうすぐ結婚するかも」「子どもは何歳までに欲しい?」「育休ってさ……」とか、女性として、妻として、母としての話題が目立つ。
そうなると、いくら出産願望のない私でも、「私も子どもを産むべきなのかな」「子どもを産むことを視野に入れてないのって、おかしいことなのかな」と不安を感じずにいられません。

出産だけは、私の状況に関係なくタイムリミットが迫る

でも、「今」じゃなきゃダメなのかな、「今」決めなきゃいけないのかな。私にとって、「今」は、仕事の頑張りどころで、夢も追いかけ続けたい時間です。
そして、一度結婚生活を終わりにした経験を経て、パートナーを新しく見つけるとか、新しく恋をするとか、そう都合よく気持ちが前向きに働くものでもありません。

自分のペースで、自分の思う通りに人生を進めていきたいけど、出産だけは、私の希望や覚悟も待たずに、やるやらないの答えだけが求められる。

まだ覚悟は決められない。
子どもがいないうちに頑張りたいこと、挑戦したいことは沢山ある。
でもそんなこと関係なく迫ってくるタイムリミット。

「今」はまだ決断できなくても、将来の選択肢を広げたい

女性がそんなタイムリミットを考えずに、出産のチャンスを広げることは出来ないものか……と思っていたところ、「卵子冷凍」という方法があることを知りました。
これじゃん!と、飛び付いてみたものの、よくよく調べてみたら、保険適用はされていないようで、まあまあな高額。
自分一人の少ない給料からこれだけのお金を捻出するのは、今の私にとっては難しい。

でも、たとえ将来出産を選ばなかったとしても、自分の選択肢を広げられるのであれば魅力的です。
いつか「この人となら」と思える素敵なパートナーに出会ったり、子どもを産んでみたい、という気持ちが芽生えた時の、未来の私にチャンスを残したい。
ずっと「今」目の前にあることに一生懸命取り組んできて、「今」が楽しくて幸せなことに満足してきたけど、
社会的にも、体的にも、大人になってきた今、未来の自分の幸せの選択肢を広げてあげられるような自分でいたい、と思うのです。

不妊治療は保険適用されることが決まりました。
子どもを望む、全てのシングル、カップルの可能性が大きく広がったこと、とても嬉しく思います。
「今」産むことを決断しづらい状況にある女性の可能性を広げるためにも、卵子凍結にも保険適用されることを心待ちにしています。