どこでも寝られるタイプの私が突如、眠れないループにハマった
何の前触れもなく突如訪れる、「眠れない夜」。それは眠たい、眠たくない、疲れている、疲れていない、関係なくやってくる。
そんな眠れない夜の理由はただ一つ。思考を停止できなくなっているから。
ぐるぐると永遠に考えても仕方のないことを自問自答する時間。一度そのループにハマると中々抜け出せない。ましてやそれはいつやってくるのかわからないのだから厄介だ。
私は基本的に、割とどこでも寝られるタイプだと自負している。
唯一ダメなのは学校の教室。そもそも寝る場所ではない、という概念が邪魔をして休み時間であっても一度も寝たことはない。
ただ本当に眠たい時には、教室に布団が敷いてあり「寝ていいよ」と言われれば即座に寝られる自信はある。
という話はここまでにして、なぜどこでも寝られる私が突如眠れないループにハマるのかを考えていきたい。
次々に訪れる「思考たち」との時間は、案外楽しい
この「思考を停止できない」というのは夜に限らず日中でも常に起こっていることで、私にとっては特段驚くようなことではない。単純に夜眠るときまで続くと貴重な睡眠時間が削られて困る、というだけだ。
普段どんな思考を巡らせているのかと聞かれれば、ごく一般的なことがほとんどで、仕事や人間関係のこと、あるいは美容や健康のこと。少し変わり種があるとすれば、自分自身をファンタジーの世界に連れていき、そこで思う存分空想をすること、といった具合だろうか。
『宇宙』。ここが私の思考の向かう先。考えれば考えるほどブラックホールに思考が飲み込まれていく。そうすると何を考えていたのかがわからなくなり、一瞬頭の中が真っ黒に染まる。
しかしそれは本当に一瞬で「あっ」と言う間に次の思考がやってくる。嫌でも辞めたいと思っても彼らはいなくならない。次は自分の番だ、と言うかのように次々とやって来てはブラックホールへ飲み込まれていく。
夜眠れないというのは辛い・きつい、と思われがちだが、私はそうは思わない。案外楽しいものではないだろうか。
考えても見てほしい。次々と流れるように思考がやってくる状況を。「うわー!」とか「きゃー!」とか言いながら走ってくる者もいれば淡々と歩いてくる者もいる。恐らくこれは現実世界では中々出くわすことのない、不思議で奇妙で面白い光景ではないだろうか。あまり騒がれると面倒だな、と思うときも多々あるが。
「思考」という名の彼らが、いつ来ても良いように準備をしておく
つまるところ、この思考と仲良くなってしまったことが、私が眠れない大きな理由だろう。そして彼らを操ることができないがゆえに、突如眠れない夜がやってくるというわけだ。
今、「自分の頭の中で起こっていることなのに操れないなんて……」と私を哀れに思った人もいるかもしれない。そんなあなたは心優しいお方なのでしょう。
だが、心配ご無用。これもまた、そう悪くはないもので。どんなことも一度仲良くしてしまえば、案外平気なのである(先程も伝えたが、面倒なときは多々あることを忘れずに)。
ここまで眠れない夜の理由をつらつらと綴ってきたわけだが、これを書いている今も、頭の中には思考という名の彼らが、軽快に時に重い足取りでバタバタドタドタ走り回っている。それを私はドンと構えた姿勢で受け止めるのである。
いつ彼らがやって来てもいいように、来客の準備は常にしてあるつもりだ。と言いたいところだが、実はもうそろそろニワトリも仕事を始める時間。賢いニワトリと違って、私はこのままでは仕事ができないので、彼ら「思考」には一度静かになってもらいましょう。
「おはようございます。お遊びは終わりですよ」