力強く大きな声で歌うため、モデルの道は譲ることにした

歌手とモデル、どちらを今後頑張っていくか?
私はその選択に迫られた。

それは、昨年の春頃。
結局私は歌手を選んだ。
ゆずれなかったこと、ゆずったこと、私は歌手でいつづけるための体型を譲れなかった。

私はシンガーソングライターとして歌の活動をしつつ、ファッションショーのショーモデルを目指してレッスンを受けていた。
しかし今は、ショーモデルのレッスンは受けていない。
歌の活動は続けている。ボイストレーニングにも通っている。
私は、ショーモデルのためのモデル体型にはならなかった。なろうという努力もしなかった。
それは、歌うためである。
力強く大きな声で歌うためだ。

歌うために体型を維持するか、モデルのために痩せるか

昨年の春前、ボイストレーニングの先生に「今の体型をキープして」と言われた。
「痩せすぎたら声が出なくなるよ」とも言われた。
歌は身体全体を使う。身体は楽器だ。
土台がなければ、音を奏でることはできない。
痩せてしまうと、力強い声を出し続けることができない。

それは私自身も実感していた。食べ物をしっかり食べないと、大きな声は出ない。
だから私は、毎日痩せないように食べては筋トレをしている。体型を維持するために。
特に私の曲は、大きく高い声を出さないといけないメロディーが多い。か細い声で歌うわけにはいかない。
踏ん張って歌わないといけないので、脚も痩せすぎるとふらついてしまう。ただでさえヒールを履いて歌うのに。
「55kgを切ってはいけない」と言われてから55kgを切らないように過ごしている。
ちなみに私は168cm。女性の168cmの人の平均体重は62kgらしい。55kgより7kg多い。

一方で、当時はモデルのウォーキングレッスンを受けていた。本番のショーを想定してのレッスンだ。レッスン生皆がショーに出演できるわけではない。
だから、レッスンといえども、毎回戦いだった。
先生には、技術的に成長していると言われていたが問題があった。
それは、体型だった。
他のスタッフの方に「ちょっと痩せてるかな?くらいがいいかな」と言われたのだった。

コロナ禍でのファッションショーは、オンラインもある。動画だと、通常より横に太って見えるそうだ。だからこそ、「ちょっと痩せてるかな?くらいがいいかな」らしい。
直近のファッションショー、私は選考で選ばれなかった。痩せることができなかった。
私は体型を維持するか痩せるかの選択に迫られた。両方は選択できない。どっちかだ。

私が選んだのは、自分らしい表現ができる「歌」だった

私は何がやりたいか考えた。
歌を歌いたいか、ファッションショーのショーモデルになりたいか。
悩んだ結果、私らしい表現をできるものを選択した。
それが、歌うことだ。
ファッションショーはあくまで主人公は服、自分ではない。
歌うことにおいては違う。主人公は自分だ。
私らしい表現ができる。
だから、モデル体型を譲り、歌を歌うための体型を保つことを譲らなかった。

今でも時には、ファッションショーのショーモデルをやらないのか、聞かれる。
しかし、私は「やらない」と言っている。
私は歌を歌いたい。だから歌うことができる身体作りをしている。今体型を変えることは不可能に近い。
仮に変えた時は、歌を諦める時だ。
今の体型に後悔はしていない。
やりたいことができているのだから。
あれもこれもとやりたいことがあっても、どこかでパンクしてしまう。それを考えると、歌に絞って良かったと思う。