「なかなかお金が貯められないのですが、どうしたらいいですか?」
「貯金や投資など、お金を増やしたいならまずはじめに何をしたらいいですか?」
普段お金についての相談を聞いていて、すごくよく聞かれるこれらの質問。
そんなことを聞かれたとき、私がお金についてどんなことよりもまず1番最初に取り組むべきこととしてお話ししているのが、「自分のお金を管理すること」です。今、お金の管理はとても楽ちんになっているんです!

お金の管理をするにあたって、具体的な方法は大きくわけてふたつ。
ひとつめが、ノートなど紙に書く形で自分オリジナルの家計簿を作る方法。
好きなシールを貼ったり、カラフルに色分けしたり、より自分のライフスタイルにあった項目を作るなどカスタマイズが可能です。
ただ最初はテンションも高くていろいろ試行錯誤しながらやっていこう!となるかもしれないですが、それを3カ月、半年、1年とずっと続けていけるかどうかしっかり考える必要があります。また、紙で書いていく形式だと、その月の収支の足し引きを、都度自分で計算していかないといけないのが何よりも大変。正直「初めてお金を管理する」という方にはあまりおすすめしません。

次に、ふたつめがツールを使って管理する方法です。パソコンのツールを使い、エクセルでも収支の足し引きを自動で計算することは可能ですが、銀行の取引やレシートなどを見てエクセルに打ち込むという時間をしっかり作らなければなりません。この説明だけで…めんどくさい…という方に、とにかくおすすめなのは、家計簿アプリ一択です。

私のおすすめの家計簿アプリを三つ紹介します

いくつかおすすめの家計簿アプリをご紹介していきたいと思います。

★とにかくシンプルな家計簿が使いたい!

「シンプル家計簿 - 人気おこづかい帳の家計簿(かけいぼ)」

会員登録なしで機能すべてが無料で使うことができ、カレンダー形式で日々のお金の動きをチェックしてくことができるがポイント。ただし入力は自分で行う必要があるので、自分で入力をしないと家計簿として成り立ちません。

★かわいい家計簿が使いたい!

「Caho家計簿(かけいぼ) かわいい&人気の家計簿」

見た目もとても可愛く、カレンダー形式でお金の動きをチェックできるなどシンプルな家計簿機能がきちんと備わっているのがポイント。こちらも日々の入力は自分で行う必要があります。基本は無料で利用できますが、広告費表示など一部機能は有料となります。

★何もかもめんどくさいので楽なやつがいい!

「マネーフォワード ME - 人気の家計簿(かけいぼ)」
「Zaim - お金が貯まる人気家計簿(かけいぼ)」

これらの特徴としては、銀行口座やクレジットカード、QRコード決済などと連携できること。やはり家計簿をつけるにあたって一番めんどくさいのが、銀行口座からでる収支、クレジットカードからの支払、現金での支払、アプリでの支払いなど、色々なお金の動きを集約する作業。キャッシュレス決済が主流になりつつある今、それぞれの明細をみるには普通なら一つ一つのサイトやアプリをチェックしなければならないところ、連携をすることで自分の資産がアプリ上でまるっと確認することができるんです。また、現金払いについてもレシートを撮影することで簡単に登録することができます。 自分で入力をするのがめんどうで、なかなか始められない…という人は、全部連携してアプリにほぼ自動で家計簿をつけてもらうのがおすすめです。 この2つも基本は無料となっていますが、一部機能が有料となっています。

お金の管理をしていく上で何より大事なのが、「継続」です。出費は日々変動するもの。きちんと定期的に家計簿をつけていくことで、うまくお金のやりくりができなかったときのことを反省し、その反省を生かして未来のお金の使い方を考えていくことができます。家計簿にもいろいろな方法がありますが、一番は自分が続けていけるかどうかという基準で選んでみてください。

お金の流れを知ることで、どうにかしようという意識も芽生える

お金の管理については、「やらない」という選択肢は絶対ナシにしてほしい!というくらい、とにかくやってほしいこと。
なかなかお金が貯められないという方は、お金の管理をしていないことがほとんどです。そもそも入ってくるお金とでていくお金が自分でわかっていなければ、現実的に貯金に回せる金額もわからないままになってしまいます。きちんと自分のお金の使い方を把握することで、「コンビニでついで買いは控えなくちゃ」「水道光熱費が少し高いから、他の会社に検討しようかな」など、明確にここをどうにかしようという意識も芽生えます。漠然とした不安も、実際のお金の流れを見ることでどうにかしなきゃという気持ちに切り替わっていくはず。

お金を管理することの大切さは、それだけではありません。ここ数ヶ月、毎月のようにある値上げ。今月も、雪見だいふくやピノ、味の素、赤いきつね・緑のたぬきといったように、みなさんになじみのある食べ物がいくつも値上げとなっています。値上げした商品は買わないようにしたり、タイムセールなどのタイミングで買ったりなどをして少しでも値上げを回避することはできますが、そうはいっても「値上げすること」自体を自分でどうにかするのはなかなか難しいのが現実。

女性の平均年収は約300万円。男性と2倍以上差がつく年代も

年齢別の平均給与(民間給与実態統計調査結果)
年齢別の平均給与(民間給与実態統計調査結果)

入ってくるお金は少ないのに、出ていくお金は多い、そんな時代です。特に、女性の場合は男性よりも年収が少ないという結果もあり、より切実な問題になってきます。
実際国税庁の令和2年度の「民間給与実態統計調査結果」をみてみると、女性の年収は生涯を通して約300万円。男性との差が2倍以上にもなる年齢もあったりと、こんなにもお給料にギャップがあります。おそらく、妊娠・出産でのキャリアの断絶も大きな理由となっていることでしょう。

このお給料のジェンダーギャップを埋めていくのは、本来であれば私たちではなく、国がどうにかしなくてはならないこと。でも、そうはいっていても、自分の身を守るために、自分でお金と向き合うことが必要な時代なことも事実です。理不尽なことに声をあげつつ、お金の不安を少しでも拭うには、しっかりと自分自身が自分のお金を見て今できることを主体的にやっていくというのも大切です。

自分のお金の流れを見えるようにしていくことで、小さな視点でいえば減らすべき出費を減らし、自分のために残しておけるお金を増やしていくことができる。また、大きな視点でいえば自分のお金を通じて、商品の値上げなど社会の変化を見ていくことにもつながります。ぜひそういった視点で、自分に合ったツールを使ってお金の管理をしていってみてください。