結婚しなくても幸せになれる。会社で飲み会がなくてもうまくやっていける。リアルな友達がいなくても平気でいられる。
最近は色々な状況が原因となって、人との繋がりが希薄になってきたように感じます。その一方で、SNSを通して沢山の誰かの毎日に繋がることが出来るようになりました。
今までだったら知り得なかったような、誰かのなんでもない毎日。誰かのなんでもない考え事。会ったことも見たこともない誰かの、なんでもない日常に思わず癒されたり、勇気づけられたりするのが、SNSの醍醐味だと私は思います。

◎          ◎

SNSで私にコメントをくれるのは、大抵の場合、私より上の世代の方々です。そのコメントはほとんどがとても温かいもので、私を見守ってくれるような、優しいものです。
ただ、それだけでなく、ご自身の現在取り組んでいることに対しても話して下さるケースもあり、年を重ねるごとに人生を楽しむその姿に元気づけられます。

今までのことを思い返した時、面と向かって上の世代の方に私が自分の夢や目標について話すと、大抵こんな風に返されてきたような記憶があります。
「そんなこと言ってられるのも今のうちだよ」
そう言われるたび、すごく悲しい気持ちになりました。私はまだ未熟なので、経験不足だし、お金も無くて夢を叶えるのに長い道のりが見えていました。

でも、経験豊富で経済的にも安定しているように見える上の世代の方々は、夢を叶えたり、軌道に乗っていたり、自分のやりたいことをきっと伸び伸び出来ているのだろうと思っていたのです。だから、上の世代の人に、年下である私の夢は今だけのことで、年を重ねたら意味がなくなる、価値がなくなるみたいなことを、言って欲しくなかったのです。「年を重ねるって楽しいよ」「これからもずっと楽しくなっていくよ」と言ってほしかったのです。
面と向かっては、誰かの夢は煩わしいものかもしれませんが、SNSを通じてなら、素直な気持ちになれるものなのかもしれません。

◎          ◎

今までのような形で誰かと手を取り合わなくたって、幸せに生きていける時代。それと同時に、誰かのなんでもない考えや日常が、どこかの誰かに簡単に届く時代。
私はもっともっと、上の世代の方々がどんなことで悩み、どんな風に人生を楽しんでいるのか、知りたいって思います。
上の世代の方々の、なんでもない日常が知りたいのです。人との繋がりが希薄なこんな時代だからこそ、共に生きていきたいのです。
コメントし合わなくてもいい、いいねもしなくてもいい。誰かがただ生きているということが、小さかったり大きかったりする夢を自由に見たりしながら、人生を楽しもうとしている様に妙に勇気づけられることもあるのです。
そしてそれが自分より経験豊富な上の世代の人のものだったら、不安定で自分自身が足りないものだらけに思える若造には、明日を生きる活力になるのです。そういう、誰にむけているわけでもない「今日も楽しかった」「今日嫌なことがあった」「明日も頑張ろう」とか、そういうなんでもない発信をしあうことこそが、その発信を目にし合い、誰かが生きていることに勇気づけられたり安心したりすることが、現代の共存なんじゃないかって、私は思うのです。

どこの誰かも分からない人と、これからも共に生きていきたい。
そして上の世代の方々が人生を生き抜く姿を見て、明日を楽しみに眠りにつきたいのです。