世の中には2種類の人間がいる。赤ちゃんや子どもが好きな人と苦手な人だ。
人それぞれ、赤ちゃんや子どもにまつわる思い出や得手不得手があるため、好きであること、苦手であることには、何とも思わない。しかし、赤ちゃんや子どもが嫌いだと必要以上にアピールする人間、更に危害を加える人間には色々と思うところがある。
私が今まで関わってきた人間の大半は、子ども好きだ。おそらく、教員になったり保育士になったりした友人や、兄弟姉妹がいる友人が多かったからだろう。好きというか、上手に接することができる方々が多い。
かと言って、子どもが苦手な友人も少なからずいた。でも、彼ら彼女らは苦手なりに対面した赤ちゃんや子どもには、人として真面目に接していた。
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問題は、やたらと赤ちゃんと子ども嫌いをアピールする知り合いである。
親子連れが通りかかると、誰にも聞かれていないと思い込んだのか、「ガキは死ね」「ガキを見ると殴りたくなる」と発言したり、Twitterでは誰にも聞かれていないのに何かと、「ガキはみんな死ね」「糞ガキ皆殺しにしてぇ」と鍵なしのアカウントで子ども嫌いをアピールしていた。
私は彼ら彼女らと関わりはじめた際に、目の前の赤ちゃんや子どもを馬鹿にする発言に対して注意をしたものの、一向に直す気配は無かった。日に日にエスカレートしているようだった。彼ら彼女らは、あまりにもしつこかった。
無関係の周りの親子連れや子どもたちに喧嘩を売っている心理が理解できない。あまりにも不快であるため距離を置いた。
そして、疑問も生まれた。どうして彼ら彼女らは、そこまで赤ちゃんや子どもを嫌うのか。苦手であっても距離を置けば良いのに、どうして露骨な子ども嫌いアピールをするのか。
知り合い数人を自分なりに分析してみた。正直、人間としても苦手な部類に入る人達であるためバイアスはかかっているが。また、あくまで私の周りの人間であって、他にも理由はあるのかもしれない。その点はご容赦いただきたい。
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まず、彼ら彼女らは「人とは違う自分に酔いしれている」傾向がある。今回は3人の共通点を分析したが、真っ先にこの傾向が上がった。
3人とも自分が「変人」「周りとは違う」「周囲から浮く自分」ということを重視している人間だ。いずれも人の気を引くために奇行をして、それをSNSで自慢する人たちでもある。少数派にいかに属するかに魂をかけている、浅はかな人達だ。
その考えを、子どもを嫌う考えと関連させると、「大多数の人間は子どもが好きだけど、自分は敢えて大嫌い、そして危害を加えてアピールをするということでアイデンティティを保とう」みたいな考えということだろうか。
もしそうであれば、大変くだらないアイデンティティである。アイデンティティのために利用される周りの赤ちゃんや子どもにとっても迷惑な話だ。
次に、上記にも関連するが、比較的自己承認欲求が強い傾向がある。3人とも自分より周りが目立ったら気が済まないタイプだ。
ある人は自分より周りが目立ったら、目立った相手の悪口を言ったりパワハラをしたりして追い込んだ。ある人は自分より周りが目立ったら、拗ねてみんなの気を引こうとした。
これはあくまで推論だが、子どもや赤ちゃんを集団に連れていけば注目の対象になる。可愛いって思ったり、お世話をしないといけないと思ったり、お話したいなどとにかく人の注目を集める。彼らはおそらく、何もせずに人から愛されて注目を浴びる赤ちゃんや子どもを妬んでいるのではないかと考えられる。彼らは人の気を引くために奇行をしないと周りから注目されないから、余計にだ。
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人の好き嫌いは個人の自由だし、正直私にとってはどうでもいい。しかし、他者に危害を加えるとなれば話は別だ。無抵抗の赤ちゃんや子ども、親子連れに危害を加えるなんて特に許されないことだ。
しかし、正体は矮小で惨めなものである。敢えてきつい言い方をすれば、誰にも注目されず、愛されない故に生まれた悲しきモンスターたちである。
特に露骨に子ども嫌いアピールをする人達を分析した結果、このような残酷な結果になった。かと言って私自身の経験では、彼らに優しく丁寧に接し続けても、ただただ精神がすりへるだけだった。
このようなモンスターたちへの対応は一体どのようにすれば良いのだろうか。赤ちゃんや子どもに危害を加えてからでは遅い。先が見えない悩ましい問題である。