私は過去に何人かの男性とお付き合いをした。
良くも悪くもいろんな教訓となった。
その中でも未だに記憶にある3人について書いていこうと思う。

◎          ◎

まずは、人生で初めての彼氏について。
その人は一つ上の学年で、笑顔が素敵だった。コミュニケーション力があり、どんな相手にも気さくに話しかけて友達になるような私と正反対の人であった。
彼は私の持ってないものを持っていたからか、すごく惹かれた。
相手から告白されて、嬉しかった。初めての彼氏、初めてのデート、何もかもが初めてだった。
とても楽しく、毎日が輝いていた。
しかし、終わりはすぐに来た。
私自身、ネガティブな性格だったため、SNSなどでよく愚痴をこぼしていた。
それは彼と付き合う前からだったし、彼も知っていた。
そのはずが、そのSNSの投稿が怖いと言われ、そのまま振られた。
あっという間だった。受け入れられず、どうにか復縁できないかと友人に取り持ってもらい、食事に行ったりしたが何も変わらなかった。
段々とその人に対して私も冷めていき、極め付けは元カノ(正確には元々カノ)とのツーショットのプリクラをSNSに投稿していたのを見て諦めた。

◎          ◎

その次に付き合った人は、優しい人だった。その優しさに惹かれた。
前のような失敗はしないようにと、ネガティブな自分を隠していた。
優しい人というのが盲点だった。私に優しいのではなくみんなに優しく、みんなから良く思われたい、そんな人だった。
別れた理由は友人宅での飲み会での出来事だった。
その日はホワイトデー。私は慣れないお菓子を一生懸命作り、バレンタインデーに渡した。彼はすごく喜んでくれていた。
それもあって、ホワイトデーは期待していた。が、友人宅でバレンタインのお返しに買ってきたであろうクッキーを、全員に配りはじめたのだ。
私の思い込みだろうと自分に言い聞かせ、きっと別に用意してあるんだと思っていた。
翌日彼に会うと、「バレンタインのお返し、無い。作ろうと思ったけど時間がなかった」とだけ伝えられた。
そこから彼には不信感しかなく、距離を置いた。

もうこのまま自然消滅するんだろうなと思っていたら、3ヶ月記念日に急に長文のLINEが来た。そこには、感謝の言葉やこれからもよろしくなど書かれていた。
私はその文章を読んでふと思った。3ヶ月間、自分から相手に「好き」という言葉を伝えたけれど、彼から一度も言われていないことに気がついた。

見返りを求めることはよくないが、期待してしまう自分がいる。この人は私という「彼女」というアクセサリーが必要で、そのアクセサリーがあれば周りから注目をもらえる。そう考えたら馬鹿馬鹿しくなって振った。
みんなに優しい人じゃなく、自分にだけ優しい人が幸せになれると思う。

◎          ◎

そして最後、この人は二つ上の社会人だった。私に優しい人だと思っていた。
遠距離且つ私が卒業前ということもあり、卒論などで忙しく、相手の住んでいる場所に行くことは難しかった。
相手も同様に仕事が忙しく、なかなか休みを取れなかった。
でも私は会いたかった。彼に休みを取れないかと訊ねても「無理」の一言。電話もできない。しまいには学生の私に対して「こっちに来れないの?ああ、貧乏だから来れないね」といったモラハラ発言。
卒論のストレスで重度のうつ病と診断された私は、彼のモラハラ発言にひどく落ち込んだ。
決して裕福な家庭じゃなかったから、否定できなかったのも悔しいが、社会人と学生でアルバイトもろくに出来ないこの格差はどうやっても埋められない。
ただただ、そんな無神経な発言が辛かった。
そこで別れたらもっと気持ちが楽になったと思うが、当時の私は完全に彼に依存していた。

私はなんとか卒業し、関西で仕事をすることになった。一方で彼は仕事がきついと言い、一年で退職して地元に帰っていた。
一応お付き合いは続いていたが、特に連絡することもなく、ダラダラと時間だけが過ぎていった。

◎          ◎

私は新しい環境で、初めての一人暮らしに不安と期待を膨らませながら仕事を覚えたり、家事を覚えていったりした。
そんな中、事件が起こる。
急に彼からLINEが来た。内容は「友達と、友達の彼女と3人で鰻を食べた」というものだった。
それを見た私は、今まで我慢してきたことが一気に爆発した。
なんで働いている私は、日々節約してお肉は基本鶏肉か豚肉、自炊も毎日して、貯金して生活しているのに、無職の彼は私の大好物であり高級な鰻を食べているのだと。
こんなやつに私は貧乏だと言われたのかと思うと、今でも腸が煮えくり返る気分だ。
この件で一気に冷めて別れた。
後に鰻の元彼という話でひと笑い取れるようになった。ある意味感謝はしているが、もう二度と会いたくない。

そんな私の恋愛遍歴。
これを読んでいる方、コミュニケーション力のある人、みんなに優しい人、無職でも高級鰻を食べる人にはご注意。