「ありがとう」の気持ちのベクトルは、自分以外の他人に向くのが一般的だ。
でもよく考えたら、自分ってめっちゃありがたくない??と思ったので、徒然なるままに書き連ねてみたい。

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まず、朝起きてくれるのありがたい。眠いのに。寝っ転がっている姿勢がこの世で一番楽な姿勢であることは間違いないのに、起き上がるのがありがたい。
そして着替えてくれるのありがたい。もし着替えてくれなかったら電車や会社で恥ずかしい思いをするところだった。

そして会社に行ってくれるのめちゃくちゃありがたい。上司に怒られても、ミスして凹んでも、(ときにはずる休みもするとはいえ)会社に行くのは本当にありがたい。しかも仕事を頑張ってくれるおかげで自己肯定感上がります、仕事頑張ってくれてほんとありがとう!
そのおかげでご飯を食べられるし、服を着られるし、屋根のあるところで住めるし、好きな本を買える。貯金しておくから、本当に辛いときは辞めちゃえ!

それから毎日ご飯食べてくれてありがとう。おかげで生きるエネルギーが湧く。あなたがご飯を食べてくれるおかげで私は美味しいという幸福感を感じることができる。自炊じゃなくてもいいから、これからもちゃんと栄養バランスだけはしっかり考えて温かいご飯を食べてね。

あと正直、毎日お風呂入ってくれるのほんとにありがとう……。お風呂嫌いなのにね。でもやっぱり入らないと匂いが気になったり、かゆかったりするから、本当お風呂入ってくれるおかげで私は助かってるよ。

んでもって夜ちゃんと寝てくれてありがとう、私、睡眠時間短いと辛いタイプだから、睡眠時間確保できる時間を計算してちゃんと入眠してくれてほんと助かる。ありがとう!!

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すでにめちゃくちゃありがたいんだけど、ちょっと過去の自分にも改めて感謝していきたい。
まず、本を読むことを好きになってくれてありがとう。学校に行きたくない時も、図書館に行こうって思って行けたよね。私が今体験している世界以外にもいろんな世界があるっていうこと、そしてついつい悲観的に考える癖のある私だけど、今私が体験している世界について、もっと違う見え方があるってことに気づけたのは、間違いなく本の存在が大きい。

それから、勉強を頑張ってくれてありがとう。ガリ勉を馬鹿にするような中学校で、勉強してる姿は隠してたけど、それでも学ぶことを止めなかったね。知識は身を助けるってほんとだなって思う。単純な話でいくとやっぱり学歴は生きていく上で強い武器になっているのは間違いない。それだけじゃなくて、この世の中での理不尽に気づくことやそれに立ち向かうことにおいて知識は有用だなって思うから、ほんと、ありがとう〜!

あとさ、まじで最高のパートナーを見つけて、関係維持してくれて本当にありがとう!!そりゃもちろん最初から最高のパートナーシップだったわけじゃなくて、傷つけたり傷ついたりして、もういっちょ別れたろうかって思ったことも、別れたいって言われたことも、何回かあったよね。でもその度に諦めないで、長年の課題だった「察してちゃん」を卒業して、自分の思いちゃんと伝えて、相手の思いにも耳を傾けて、二人で生きていくための方法を二人で考えてきたからこそ今の穏やかで安心できる関係があるんよね。本当ありがとう!

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子どもの時、「私は何者かになるんだ、大きなことを成し遂げる特別な存在なんだ」っていう謎の自信があった。
でも東京に出てきたら、起業したり、社会的に意義のあるNPOを設立したり、メディアに出たり、そういう大きなことは全然できなくて、そういう人と比べて焦ったり、自己卑下しちゃったり。どこにでもいるような真面目な会社員として単調な日々を過ごす自分に、ちょっとがっかりしちゃったり。
そんな日もあるけど、でもこの私を生きるのは私だけで、本当に特別な存在で、ほんと、ありがとう。

これからも末長くよろしくお願いします!自分!