仕事終わりの私の週末土曜日22時。おしぴ(職場の同僚彼女持ち)からはLINEの返信は来ない。なんでLINEの返信くれないのとメンヘラモードをかましている。
ははぁん、これは女のところに行ってセックスしてるな。私は仕事で疲れ果てている。彼女じゃないから仕方はないが、どうしてこんな気持ちにならないといけんのだ。ましてや仕事終わりにだ。

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気分を変えねばならない。もう不貞寝してしまおうか。
「そうだ。おしぴをオカズにめちゃくちゃオナニーしてやる」
(なお、彼氏でもない男をオカズにすること、そもそも論オナニーの対象をオカズと呼ぶことなどはここでは議論しないこととする。女がポップにオナニーのことが語られないのはどうなのかという話はまた今度どこかでしたい)
なんだかんだこれが1番最高ではないだろうか。あんまり同性と共感したことはないが、よく男たちがシコって寝るというやつ、ほんとそれって感じだ。

今日の気分に合いそうなオカズ動画をゆっくりネット上から探す。これはこれで、1人の優雅な時間であると思ってる。
しかし29の女の住処、ここは実家だ。親が急に部屋に入ってくるかもしれない。しかもうちの親はノックしないで部屋に入ってくるし、私の部屋は私の部屋だけど私の部屋じゃない。出入りがある。
そういえば過去何回も危ない目にあってきた。寝転がっていたのを慌てて飛び起きた時は、たぶんバレてた。はっきりバレたら弁明の仕様もない。冬場はまだマシだ。布団と毛布の下でよくわからんだろう。夏はその点どうしようもない。
大学の4年間は一人暮らしだったからその点はめちゃくちゃ良かった。好きな時にオナニー出来る。そのまま寝落ちしても、PCの画面が付けっぱなしでも誰にバレることもなかった。一人暮らしでよかったのは正直まぁここぐらいだ。

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話を戻そう。イヤホンがきっちり挿さってるのを確認する。これで音漏れからバレる心配はなさそうだ。
ただ、なんでなんだろうか。オナニーするぞ!って日に限って、親が廊下でなんかしている音がずっとしてる気がするし、やたら母親から何やってるの!って声がとんでくる。オナニーだよ、なんて言えるわけがなかろう。
確かに22時。次の日も休みである。寝るには早いが、勘弁してくれ。好きなタイミングで、オナニーも出来ないのか。たぶんこういう感情は普通の女なら抱かないのだろう。だって普通なら、パートナーとすればいいだけの問題なのだろうから。まるで中学生のイキがってる男子じゃないか。あれが認められるのは、その年だからいいものであって、この年齢じゃダサすぎるし、情けない。なんだよ、好きなタイミングでオナニーできないって。おしぴが女とシてるから、私はおしぴを脳内で抱いちゃうもんねという当初の目的は最早変わっている。早くオナニーをさせてくれ。

もうなんかよくわからんヘンテコな気持ちのまま、際どい攻防戦中は、集中も出来ず、結局なんだかんだ家族が寝静まった時間か、家族のいない月曜日の午前が独壇場となるのだ。
日曜日23時。明日も休みだ。今日もおしぴから既読になって返信はこない。家族は寝たし、シコって寝るか。