今から半年ほど前、実家に帰省したときのこと。時間があったので、今も地元に住んでいる友人に会うべく、SNSに連絡を入れた。
半日ほどして返信があった。私が提案した日にちは、夕方以降ならば時間があるとのことで、その日の夕方に会うことになった。
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その人は女性で、古くからの友人だ。付き合いはかれこれ20年ほどになるだろうか。
保育園で出会った私たちは、最初からとりわけ仲が良かったわけではない。普通に、たまに談笑するくらいのクラスメイトとして過ごしていた。高校からは、それぞれ別の学校へ進学したため、これといった接点はなかった。
また再び接点を持つようになったのは、大学生になってからのこと。小学生の時、同じ習い事に通っていた縁で、大学生の夏に、その習い事のボランティアスタッフをやらないか、と習い事の先生からお誘いを受けた。そこに参加した私は、大学生となった彼女と再会した。
明るい性格と、少々派手にも思えたメイクで、いかにも今を楽しんでいる感じが伝わってくる、そんな女性になっていた。
大学時代は、この夏のボランティアで会う程度で、個人的に遊びに行ったりすることはなかった。そして、お互い大学を卒業して、私は地元を離れた。
私が地元を離れてから数年が経過しており、会うのはそれ以来だ。
彼女は、1児の母になっていた。今回連絡を取ることになったきっかけの1つだ。
ことの発端は、私が、彼女の妊娠・出産を知ったことだ。
SNSを通して、彼女がどのような生活をしているのかふんわりと知っていたが、彼女の妊娠・出産を聞いてご祝儀を渡した。お返しは不要だと伝えたのだが、ぜひ渡したいからとメッセージをくれたことで、やりとりをするようになった。
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それまで連絡を取っていなかったため、知人としてご祝儀を渡すだけで終わろうと思っていた。ほんの気持ちだけ受け取ってもらって、彼女の生活の足しにしてくれたらそれで良いと思って渡したものだった。
それに対してメッセージが送られてくるなんて思ってもみなかったため、トーク画面を開いたときには一瞬、画面に書いてある文字を疑ってしまったほどだ。
それから程なくして、私は地元に帰る予定ができた。そのスケジュールのなかで、時間が作れそうだと思った私は、彼女とその子どもに会いに行くために連絡をした。
当日、約束していた時間を少し過ぎた頃、彼女の自宅に到着した。久しぶりに会う彼女は変わらず、明るい性格で、濃いメイクが似合う同級生だった。
リビングに通してもらい、ソファーに座っていると、彼女が我が子を紹介してくれた。ご厚意で抱っこもさせてくれた。
赤ちゃんを抱っこするのは初めてではないが、久しぶりだったため、浮かれる気持ちを抑えて自分の腕の中に子を収める。その子は満腹で、睡魔が襲ってきているらしく、少しぐずっていたが、しばらくすると、私の腕の中で眠りに着いた。
お互いの近況報告や、他愛のない話をしていると、気がつけばかなりの時間居座ってしまっていた。時間にして1時間は超えていたはずだ。赤ちゃんのいる生活は、時間の作り方が難しい。そのため、これ以上時間を狂わせてはいけないと、お暇することにした。
またいつでも連絡してね。
そういって彼女は笑顔で手を振ってくれた。
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出会って20年以上経過している私たちの関係だが、その間に10年以上ほとんど連絡を取っていない期間が存在する。それでも、今回のように再び会うきっかけが舞い込んできて、久しぶりに出会うこととなるのだから、私たちはそのような運命だったのだろうか。
私が、仕事や人生に悩みながらも生き抜いてきた数年間。彼女は、大学生から1児の母になった。
それぞれ違う人生を歩みながらも、こうして久しぶりに会える友達がいて、話がはずんで、これから先も構築していける関係だと実感できたことは、今の私にとって大きな一歩になったと感じている。
久しぶりに出会ったら、20年来の友人は、母となり人生の新たなステージを歩み始めていた。それでも、私と昔を振り返りながら談笑する彼女は、私が知っているいつも通りの彼女だった。大学生の、共にボランティアをしていたあのときに戻ったような、懐かしさをも感じさせてくれる友人だ。
また会いに行きます。