多くを語らない女性に憧れた訳ではなく、私は昔から自分のことを話すのが得意ではない。そして一人の時間がとても好きなため、友人にはよく「秘密主義だよね」と言われることがある。

SNSはやっているし、見る専門ではなくて発信もしている。外食した写真だって、自撮りだって載せている。なのに隠し事が多いタイプだと思われがちである。

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近所に住んでいることもあり、月に1度は会う親友がいる。先日会った際も、ほとんど私の話にならなかった。彼女がこの夏に旅行に出かけたこともあり、その話を聞くことがメインになったという理由もあるが、私の話になっても、自然とパスを返してしまう自分がいることに気がついた。

別に聞かれることが嫌なのではないし、上手く話せないのではないかと不安になっている訳でもなく、ただ欲望が出てこない。彼女のことは心より信頼しているし、私が全ての人には言えないような話だってしている。それでも話題が8:2で彼女のことになるのはなぜか。

振り返ってみて直ぐに分かったが、決して発言している割合も8:2で彼女が多い訳ではない。ほとんど、とんとんで話している。彼女の話に相槌を打ったり、質問したり、感想を伝えたり……。つまり、話題の主が彼女に偏るだけで、無言で聞き入っているということではないのだ。

このようなタイプの人はきっとたくさんいるのではないだろうか。相手の話の方が楽しくなって、自分の話まで深く及ばない。もっと言えば、自分の悩みは自分自身に問いかけることが多い。

旅も一人で行くことが多い。趣味はカフェで読書すること、都内の銭湯を巡ること。きっと自分の話をこれ以上掘り下げることよりも、相手の話を聞きたい欲が勝っているのだろう。
もちろん、人に話すことでより整理されること、新しい発見があることは理解している。ただ、私がしていない経験や思考回路の話を聞くことが、自分で振り返り済みの体験を話すよりも魅力的に思うのだ。

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こんな調子で今まで生きてきたものだから、秘密主義だと思われても致し方ないなと思う。
しかし面白いことに、彼氏には「何を考えているのか分からない」と言われたことはない。あまり自分のことを話さない奴だと思われていた節はあるが、それで喧嘩になったことはない。

それは恐らく、私も無理に彼の話を聞き出そうとしないから。そして、意思表示はしっかり言葉と行動、態度でしていたからだと思う。

自分の話を進んですることが、信頼の証ではない。確かに、誰にも言えないことを人を選んでするのならば、そこに信頼関係があるからと言えるかもしれない。でも、信頼していないから自分の話をしないということにはならない。

もっと相手のことを知りたいから、相手の話を聞きたがることもあるだろう。でも聞かないからといって、その人に興味がないという訳ではない。人には人のペースがあり、話したければ話せばいいし、欲が出てこないのなら話さなくていいというのが私の持論だ。

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問題なのは「話さない」ことよりも「聞かない」ことなのではないだろうか。
相手が話し始めても聞かないで自分の話をする、自分のしていることを止めない……。たとえ秘密主義で隠し事が多いと感じても、いつでも聞く姿勢があれば、本当に近しい人には私の真意は伝わっているはずだと信じている。
色んなタイプがいてそれでいいのではないだろうか。