12月26日、いつから記念日になったのか分からないが、この日は翌年の準備をする日になっている。
クリスマス翌日であり、多くの人は年末に向けての準備が本格化する頃。クリスマスをほとんど恋人と過ごしたことのない私にとっては「なんとかクリスマスをやり過ごした!やったね記念日」でもある。
毎年この日は自分を振り返ることと、今年やり残したことを徹底的にやると決めている。
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SNSの投稿を見返すと、一昨年は最後の買い物に出掛けていた。その年は職種を変えて初めての冬だったので、奮発して憧れのお店でアウターを見つけたいと思っての行動だった。
その年より「一生ものを少しずつ集めていこう」と決意した。30代になっても80代になっても自分の代名詞として使えるもの。それは27歳の自分に勇気をくれるだろうし、もっと年を重ねた自分にも、今までの歴史を共に歩んできた自信を思い出させてくれるだろうから。そしてそこで購入したダウンジャケットは今年も大活躍の予感がするし、「80歳になってもボストンあたりで颯爽と着こなしていたい」と思いを込めて選んだのだ。
お会計を済ませて店内の暖炉の火を見つめながら待っている時、朧げに「来年はこれを着て海外に行こう」と考えていた。実際はコロナの脅威が収まらず叶うことはなかったが、都内の教員として働きながらも、いつかは海外に出たいという夢を再確認させてくれた日ともなった。
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そして去年の12月26日は、年内最後の仕事を終えて六本木でランチをしていた。
年内の仕事は、部活動の顧問として一緒にテニスをすること。今まで球技と言ったらサッカーやバスケットボールなどの大きなボールしか扱ったことのなかった私が、未経験の、しかもラケットという名の道具を使って行うスポーツに打ち込んだ年末だった。
最初はやったことのないスポーツだったので、黙って校庭の隅から子どもたちを見守っているだけだったが、いつしかマイラケットまで買って(しかも柄にもなくピンク一色の)、放課後はラケットを振り回す日々を送っていた。変に腕に力を入れるものだからずっと筋肉痛で、チョークを持つのがしんどいしんどい。
その日は、なんとか球出しくらいできるようになって年内の練習を終えた日だった。年内のやり残したこととして、「思いっきりお洒落な場所でハイカロリーな食べ物を食べる」を実行すべく向かったのが六本木だったわけだ。
ヒルズの1Fにあるオープンテラスのレストランで、モッツアレラチーズのラザニアをいただいたその日に思ったのは、昨年とは違ってはっきり輪郭のある夢だった。
「来年は先生ではなくて、学生として勉強していたい」
子どもたちとボールを追っかけるのは楽しい。それでも、私の中でずっと燻っていた研究への思いをしっかり追いかけようと改めて決意したのはその日だった。
その思いの結果は、現在財布の最も目立つ場所にしまわれている学生証から確認することができる。
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2022年12月26日はどう過ごそう。やり残しそうなことは山ほどあるけれど、来年度やもっと先の未来につながるあの日に敢えてやりたいことは何になるのだろう。
今年は、確実に大学の冬季休業期間に重なるので、予定は自由に組めそうだ。そして、例年と最も違う可能性があるのは、あのずっとやり過ごしていたクリスマスに好きな人と過ごせるかもしれないこと。そんな日の翌日に、私は何を思って行動するのだろう。
これは乞うご期待ってやつだ。