サザエさん症候群をご存知だろうか。日曜夕方あたりから「明日から仕事だ……」と憂鬱になる現象の俗称だ。
私の場合はもっとひどかった。日曜昼間に放送されるドキュメンタリー番組のエンディングを聴くだけで悲しくなっていた。勝手に名付けるならばサンサーラ症候群だ。
もうすぐ休日が終わってしまう。課題が終わっていないのに。まだ疲れが取れていないのに。そして結局やらねばならぬことが深夜にまわり、翌朝の月曜は寝不足のまま高校や大学へ行く。始まりがグダグダなので、その1週間は最悪だった。
これは嘘のような本当の話だが、1週間の良し悪しは休日の過ごし方次第だ。

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私の日曜は決まって午前6時から始まる。
これは大学がある日よりも早い起床である。そして、7時ごろには家を出る。近所のファストフード店でモーニングを味わうためだ。また、気の進まない課題は大抵そこで済ませてしまうことにしている。

布団のぬくもりが恋しい季節だろうと、私はそこへ向かうのだ。効率や金銭面に目を向ければ家で朝ごはんを食べた方がいいのかもしれない。しかし、家にいるとあっという間に正午になり、お昼を食べ、昼寝をすればあっという間に貴重な時間を浪費してしまう。

だらだら過ごすのも休日ならではの愉しみだが、どうせなら適度な達成感を得られる休日にしたいのだ。例えばこんな風に朝活から始まる休日なんかがちょうどよい。月曜の憂鬱がほんの少しだけましになった。

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自己肯定感が低かった。高校生になってそれを実感した。
中学まではちょっと頑張るだけで成績が伸びた。部活もしていたから体が細かった。
しかし、いざ高校に入ると私よりも賢い子は山ほどいた。部活をやめた体はたるみ始め、自身が醜く嫌いになってしまった。私すら嫌う私を一体だれが認めてくれるというのか。

大学はこれまでよりも自由な場所だった。そこにいることで固定観念が少しだけゆるんだのである。
「こうであって欲しい」という理想を、「こうでなければいけない」と履き違えていたことに気付いた。その時、息苦しさが和らいだのだ。だから向き合うことができた。私がなりたかった私はどんな人物なのだろうとじっくり考えた。

まず、余裕がある人がいい。課題やアルバイトに追われて忙しなくするのは向いていないから、なるべく溜めないようにしよう。自分の心身を消耗させるようなアルバイトは辞めてしまおう。あと6キロくらい痩せたい。じゃあ筋トレをはじめてみよう。SNSにいる可愛い女の子たちが着ていた服を着てみたい。痩せて身体が引き締まれば似合うかもしれない。
というように、「こうあれたら最高だよね」と自分を高める考え方にシフトした。

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その結果、休日の朝に普段より早く起きてタスクをこなすことになった。休日の午前中にやらねばならぬことを片付けて、買い物をして、筋トレとマッサージをして就寝。たったこれだけのことだが私の休日は充実している。

継続2カ月。筋トレとマッサージは成果が出て3キロ減量した。最高な自分に近づけている気がするのでこれからも続けていきたい。
私の1週間はこうして機嫌よく始まる。