今年の3月30日は息子が産まれた日だ。私にはもう1つの意味がある。
昨年の3月30日、私は生理だった。生理が遅れていており、初めて妊娠検査薬が陽性を示したので産院で検査してもらったところ、私のお腹の中の赤ちゃんは成長出来ておらず、化学流産とのことだった。

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私の場合は手術は不要で、自然に生理としてリセットされるから大丈夫だと言われた。その言葉通りに数日後生理がやってきて、その後3週間ほど経過も診てもらい正常にその周期は終わった。

陽性だった事を夫に伝えた時の反応は、今でも鮮明に覚えていている。結婚後すぐは式や新婚旅行が控えていたので、子どもはまだいいねという感じだった。
その次の年あたりから私は妊娠しない事で悩み始め、まわりが妊娠した事を知り焦ったりもした。そんな頃に陽性反応が出たので、それはもう嬉しかった。
その後の生理はものすごく痛みが重たく、生理痛で初めて寝込む程だった。精神的にキツかったこともあるが、部屋の灯りさえ点けるのが億劫で、夕方になって薄暗くなった部屋の中でベッドに横になりながら痛みと悲しみとでボーッとしながら日が暮れるのを眺めていた。

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リセットされた私は、軽くなった身体で思いっきり動いたり働いたりして、それまではなんとなく避けていたアイスクリームも食べてリフレッシュした。翌々月には予定していた旅行に夫と出掛けたりしてだいぶ元気になった。
そしてこのタイミングで排卵日検査薬を導入してみた。2日目にして強陽性となり、どうやらそれで妊娠したようだった。

以前までは排卵日検査薬のハードルが高く、なかなか恥ずかしいという思いが強く手が出せなかった。しかし、一度妊娠検査薬を使ってみたらそのハードルが下がったように感じた。化学流産をしたからこそ、夫との子どもが欲しいという意思がしっかりお互いで共有が出来たようにも感じる。
2回目の妊娠検査薬の陽性反応時は、2人とも産院で検査してもらうまで信じないぞとしながらドキドキとその日を待った。
いざ産院での検査をしてもらい、心拍の確認が出来た。けれどまだ安心出来ない。母子手帳をもらい、週を重ねる毎に大きくなるお腹とお腹の中のエコーで観る我が子に毎度感動したり、心配したりした。
だが、不安はどこまでもついてきた。そしてあっという間にいつ産まれてもいい時期になった。

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4月14日が予定日だった。初産はだいたい遅くなると聞いていたので、完全に油断していた。2週間も早く産まれてきてくれた。それが3月30日だった。
1年前はあんなに落ち込んでいたが、今年は無事に出産を迎えることが出来て、なんだか不思議な気持ちになった。こんなにも変化のある1年を体感したのは初めてだ。

きっとあの時の化学流産は意味のあるものだったと今は思える。あの陽性を目の当たりにして、嬉しかったのと同時に私に母親が務まるのか、夫との関わり方に心配したりと不安だらけだった。期待はしていたが心構えが出来ていなかった。
そのおかげか、2度目の陽性の時は落ち着いていた。毎日を大事に過ごす事が何よりも大切に思えた。
悲しかったけど経験出来て良かったと思える。来年の3月30日は何を思うのか楽しみだ。