陰キャだった中学時代。
真面目で堅くてクラスに友達なんていなくて、きらきらしたリーダー格の女子からは嫌われていて、前髪も重たくて眼鏡で制服も校則通りにしっかり着ていた中学時代。
あの頃の私を馬鹿にしたり陰口をたたいたり、同じような種類の人間だった私の親友をいじめていた人間たちを、成人式で見返すのが私のささやかな夢だ。

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中学時代の私は特に容姿に気を遣うこともなく、いかにも真面目そうな風貌だった。ついでに友達もクラスにはいなくて、いつも違うクラスに遊びに行っていた。
でも、頭が良かったし、学級委員などをやっていたから目立つ生徒ではあったんだと思う。中学時代には気が付かなかったけれど、嫉まれたり、陰口を言われたりすることもあったようだ。その頃の私はさほどそれを気にしていなかった。
でも高校になって、帰り路に久しぶりに中学時代の陽キャグループとすれ違った。その後、彼女のSNSを見たら名前は伏せてあったけど、きっと私のことだろうな、という私が高校デビューした、というあまり良い印象ではない書き込みを見つけてしまった。

なんとなく、悔しかった。
ああ、いつかそんなこと言えないくらい、いや、そんなこと言われても誰が聞いても嫉みにしか聞こえないくらいのかわいい人間になって見返したいと思った。

高校に入って化粧を覚えて、自分がかわいくなれることを知った。
良い友人に恵まれて、人生が一気に楽しく景色がキラキラになった。
もちろん誰かに認めてもらうことがすべてではない。でも、こんなに中学時代から変わった今の自分をやっぱりあの中学時代の人たちに見てほしい。

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私の羽は大きすぎて、あの狭すぎるあんたたちの世界では広げられなかった。開くのに時間がかかった。鎖でがんじがらめにされて、かごに閉じ込められて飛び立てないでいた。
でも、大きな世界に出て、いろいろなものを見て、時間がたってこんなにきれいになった私を、成人式で見てほしい。

親友と約束している。親友も中学時代からがらりと変わってあの頃の面影はない。
二人で成人式に行って、かわいくなった私たちを見てほしいね、って会うたびに言ってる。

こんなことを考えている私はあまりにも性格悪いと思うし、過去に囚われすぎていると自分でも思う。
自分でも、あんな、中学校なんてちっぽけな世界は忘れて前だけ向いて生きてろよと思う。
自分はまだ十数年しか生きていないけれど、その中で一番つらかった時代が中学時代だった。
その頃のことなんてさっさと全部忘れてしまえばいいのに。あの頃の思い出は全部置いていけばいいし、わざわざ見返そうとしたりしなくていいのに。
でも、自分の中で何かあるんだ。

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けじめのようなものかもしれない。過去との決別のようなもの。
今の私は昔の私とは違う。昔の私を知っている人間に私という存在の上書きするために、今の私を見てもらいたいのかもしれない。
そのための成人式。昔の自分を知る人間への新たな自分のお披露目の場。

リベンジとは言えないくらいささやかな私の夢。