SNSで見つけて、行ってみたいと思っていた自然景勝地が、台風の影響で閉鎖になっていた。
憧れの先輩とのドライブデートの行き先をそこに設定していたのだが、泣く泣く行き先を変更することになった。

大学時代の1年上の先輩は、同じゼミに所属していて、先輩が卒業するまでは、週に1回ゼミのときに会う関係であった。
授業の合間にしゃべることはあったけれども、ゼミの全体の飲み会以外では特に二人で出かけるといったようなこともなく、ただの先輩後輩の関係であった。
社会人になり、偶然先輩と近くで働いているということがわかり、そこから連絡を取るようになり、二人で飲みに行く約束をした。

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正直、大学時代に出かけられなかった先輩と二人で出かけるということに舞い上がっていた。
というのも、大学時代は一歳年上なだけで大人に見えたし、おしゃれでもあったし、話が面白い先輩という面から憧れの先輩であった。
飲みの約束の当日はとても緊張したけれども、カウンター席に二人で並んで座って同じものを食べているだけで親密になれたような気がした。
先輩の意外な一面も知れて、急速に心の距離が縮まったように感じた。

お店を出るまでに次の約束ができなくて焦った私は、帰り道で「ここに来たい」と言ってある自然景勝地が紹介されたSNSのページを見せた。
先輩は快諾してくれ、その場で日にちが決まり、また先輩と出かけられることに私は浮き足立った。
詳細はまた後日決めようとなり、私たちは手を振って別れた。

後日、先輩に件のSNSのURLを送ろうとして、その場所が台風の影響を受けて閉鎖されてることを知った。
約束の日まで1週間に迫っていたので、すぐに解除になる見込みはなく、行き先を変えることにした。
その次の候補がなかなか見つけられなくてかなり苦労したのであるが、天気が芳しくなかったこともあり、結局は屋内施設に行くことに決めた。

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これはアルコールなしの2度目のデートを終えて、後から振り返って思うのだが、仲良くなりきれていない人との長時間ドライブは無言になった時が苦痛であるし、山道を含む数時間のドライブを先輩に任せるというのも申し訳ない話であった。

これは私の反省点でもあるのだが、1度目よりもリラックスして話せたが、頭がはっきりした状態の無言の時間は、想像以上に「何か話題を提供して、この会話のない時間を何とかしないと!」と焦ってしまった。だからか、先輩とは飲みに行くくらいでアルコールが入った状態で話すのが楽しいなと思った自分がいた。
そして2回目のデートで知った先輩の新たな一面もあったので、1回二人で出掛けただけで、先輩と仲良くなったつもりになっていたことが恥ずかしくなってしまった。

それでも、先輩については、学生時代とは比べられないほど知ったし、私のことも知ってもらったと思うので、もう一回くらい飲みに行って、仲良くなった後、復活した自然景勝地に行きたいと思う。