マッチングアプリを始めた。そして1日で退会した。

マッチありがとうございます。
その言葉からまず慣れず、違和感を持ちながらのスタート。
やりとりの中でちょっとでも自分に合わないなと感じたり、デリカシーないな、面倒だなと感じると瞬時に「ブロック」した。
ボタン一つで簡単に相手の存在を消したり、消されたりする。

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やはり実際に会っていないからだろうか。
罪悪感も薄れていく。
何も感じなくなる。
その人は実在しているのか、していないか分からない。
モヤモヤして分からなくなってきて、なんだか違うと思ってアプリを1日でやめた。
退会は少し迷った。

本当に退会していいですか、との上部に、上手くいったカップルの幸せエピソードが掲示されて手を止めた。
無理だ、私には。
ボタンを押して私という存在はあっけなく一瞬にして消えた。
退会してしまった。
マッチできた人たちに申し訳ないなと思いながら。

今までやりとりしてて、朝、私が消えていたら相手の人はどう思うだろう。
悲しいと思ってくれるだろうか、ムカつくと思うだろうか。
それとも何とも思わないだろうか。
返事を返せなくてごめんなさい。期待に応えられなくてごめんなさい。会えなくてごめんなさい。

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そしてマッチングアプリ自体、自分に合っていないツールなのかもしれないということが分かった。
史上最強1番盛れている写真を掲載する、プロフィールは可愛い自分でアピール。
いいねをしてくれる男性がいた。
だけど、会おうと言われるとやはり怖い。
マッチングアプリ=事件に巻き込まれる可能性を想像してしまう。
また相手に嘘をつかれているかもしれない、と思っている自分がいる。
スクロールしていくと男性の写真を見ることができるが、まるでカタログで商品を選んでいるような感覚になってしまった。
見るのはまず顔、それから条件。
年収、身長……気づいたら1日やっていて呆然と我に返った。
肩がゴリゴリ凝って痛い。
頭もズキズキしてきた。
思っているより、いいねももらうことができた。
男性からメッセージも来た。
だけど電話をしよう、会おうと言われる度にだんだん面倒くさくなった。
それから、胸のカップを聞いてきた人がいたり、結婚したい時期などを聞いてきた人もいた。自分の話ばかりの人もいたし。

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勉強になったこともある。いろいろな趣味が世の中にあること。
また女装が趣味だという男性もいた。
自分はなかなか着る勇気がないが、フリルがついた可愛いワンピースを着て羨ましいなと思った。
自分の女装した姿をトプ画にして自信があるんだなと思った。羨ましい。

世の中の上手くいっている人はどんな努力をしたんだろう。
何かを手に入れるには、そういう面倒くさいことも通らないと手に入らないのであろう。
なんか疲れた……と思った。彼女とイルミネーションを見に行きたいとつぶやいている男性がいて笑ってしまった。
同じ考えだ、その考えはいいねと思ったけど、横にスワイプした。
相手を望んでもできない人がいて、簡単に巡り合える人の違いはなんだろう。
信じていれば自分にもチャンスは訪れるのだろうか。