20歳のときに付き合った人。
私がとあるテーマパークが好きだからと、強引にクリスマスデートを取り付けた。
ツリーハウスから見える花火が最高に綺麗だよ、と事前情報をしっかりと聞かせて、相手のデートプランに無理矢理ねじ込むように誘導した。
そしてデート当日。
久しぶりのデートだったから、私は子どものようにはしゃいでいた。
そんな私を恋人はどんな風にみていただろうか。

そうして、日が暮れて辺りがピカピカと光る時間。
恋人は、私をツリーハウスへ誘った。ちょうど花火の時間だった。
ゆっくりと階段を上っていく間、妙に緊張したのを覚えている。
たどり着いた場所は、私が一等好きな景色が見える場所だった。

パーン
花火があがる。大切な人の隣で見るこの景色は、今までみてきたどの景色よりも綺麗だった。
不意に隣にいる恋人を見ると、その人も私を見つめていた。
目が合って、恥ずかしくて、そうして笑い合って。

それから恋人は「後ろ向いて」と微笑んだ。
私はその通りにした。
不器用な恋人の手が私の首に回って、長い時間をかけてようやっと私の首元に贈り物が輝いた。
「どう?何点?」
「うん、満点に花丸です」

照れくさくて仕方がない、そんな強引な私をゆるしてね。