思い描いていたクリスマスデートに彼を誘導。強引な私を許してね
デビュー50周年を迎えたユーミン、丸ビル20周年、新丸ビル15周年を祝う「Marunouchi Bright Christmas 2022~YUMING 50th BANZAI!~」とのコラボ企画です。通常募集時の1500字程度よりも短い180~500字程度のエッセイとなります。
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20歳のときに付き合った人。
私がとあるテーマパークが好きだからと、強引にクリスマスデートを取り付けた。
ツリーハウスから見える花火が最高に綺麗だよ、と事前情報をしっかりと聞かせて、相手のデートプランに無理矢理ねじ込むように誘導した。
そしてデート当日。
久しぶりのデートだったから、私は子どものようにはしゃいでいた。
そんな私を恋人はどんな風にみていただろうか。
そうして、日が暮れて辺りがピカピカと光る時間。
恋人は、私をツリーハウスへ誘った。ちょうど花火の時間だった。
ゆっくりと階段を上っていく間、妙に緊張したのを覚えている。
たどり着いた場所は、私が一等好きな景色が見える場所だった。
パーン
花火があがる。大切な人の隣で見るこの景色は、今までみてきたどの景色よりも綺麗だった。
不意に隣にいる恋人を見ると、その人も私を見つめていた。
目が合って、恥ずかしくて、そうして笑い合って。
それから恋人は「後ろ向いて」と微笑んだ。
私はその通りにした。
不器用な恋人の手が私の首に回って、長い時間をかけてようやっと私の首元に贈り物が輝いた。
「どう?何点?」
「うん、満点に花丸です」
照れくさくて仕方がない、そんな強引な私をゆるしてね。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。