苦労知らずの私が一人暮らしデビュー。失敗製造機な自分が愛おしい

2022/12/29

私は幸せな家庭で育った。両親に愛されて、大学まで実家暮らしを続けた。まさしく箱入り娘。
子煩悩の親で、私がやりたいと言った習い事をさせてくれたし、欲しいものは誕生日やクリスマスに買ってくれた。酷い言葉をぶつけても見捨てず受け止めてくれた。何の苦労も知らずのびのびと育った。
そんな苦労知らずの私がついに社会人デビュー。と同時に一人暮らしデビュー。そして自分の無知さを思い知ることとなる。
私は世の中のことを知らなさすぎた。

それゆえ世間的には何ら変わりないことでも、私にとっては大騒動となった事件がいっぱいある。そのうち2つだけ言わせていただく。
本当にただただしょうもない話なので鼻で笑いながら読んでいただけたら……何なら読み飛ばしていただいても。

退職した私は、当然と思っていた「終身雇用」が消えつつあると知った

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手始めに、じゃがいも変色事件。
初めてのじゃがいも料理。弁当箱に入れて昼に蓋を開けたら、紫色に！！
無知な私は腐ってしまったと勘違い。昼ごはんを楽しみに午前仕事をしたのに、まさか昼抜き！？と焦りながら、「じゃがいも　変色　食べられるか」と検索。答えはYes！とのことで恐る恐る口にする。そしたらまあ不味いこと。こんなに不味いじゃがいも初めて食べた。ただ口がパサついただけだった。

もう一つは、排水溝に無数の卵事件。
私は水回りの掃除をほとんどせずに悠々と暮らしてきた（お母さんありがとうございます）。水回りを放っておくと偉い目に会うことを初めて知ることとなった。
ふと最近家の中でよくコバエと出くわすな～と気づいた。洗濯干すとき窓を開けてるからだろうと呑気に考えていた。
排水溝を触りたくなくて、しばらーく放置していたズボラ女。でもさすがに異臭がしたのでゴミ受けカゴを取り出してみた。そうしたら、無数の黒の点々が。
集合体恐怖症なので寒気がしたが、一生懸命洗った。ちょっと前にハンバーグを作ったからそのカスがついちゃったのだろうと思った。
よーく見てみると……言葉にするのも嫌なほどうじゃうじゃと……。この子たちが皆、殻から出てきちゃったら私の食料奪われる！！！と焦って、必死でこすって洗い流した。で、ハイターをかけて除菌（コバエさんごめんな、無知な私の家に産まれたばかりに。私の食料を守るためにはそうするしかなかった…….許してくれ。生まれ変わったらお外で会おうな、美味しい食べもんご馳走するよ）。
それからは洗う頻度を上げ、なんとかなった……かな｡

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他にも、冷凍庫に入れたはずの作り置きが食器棚から出てきた事件、じゃがいもたちからすくすくと芽が出てきた事件、冷蔵庫にアイスしかなくて朝から食べたらお腹壊した事件、風呂のタイルがピンクになってる事件、宅配ピザ一人で食べきれず冷凍庫に押し込む事件、生卵凍っちゃった事件……そして、便座の裏側こんなに汚れるんやショック、１日に髪の毛抜けすぎやろショック、市役所平日しか空いてないのかショック、車検ってそんなに金とるのかショック、手取りが思ったより少ないショック…….などなど挙げると切りがない。

仕事でも私生活でも失敗ばかりしてるから、つい自己嫌悪に陥ってしまうことがある。仕事ができる同僚や家事上手な友達やキラキラ輝く同い年の芸能人を見て、私って……とため息をついてしまう。
でもこうやって書き起こしてみると、自分の馬鹿さに笑えてくる。失敗製造機の自分が愛おしいとさえ思えてくるから不思議だ。
できない自分に焦るのではなくて、できない自分を馬鹿だな～って笑いながら可愛がってみようかな。
仕事で自分に厳しくしている分、私生活では甘やかしてあげよ。ずっと気を張っていたら疲れちゃうから。