1年前。私は人生の絶望から復活しつつある場所にいた。
1年と少し前、私は働くことに疲れて、長めのお暇をいただくことになる。仕事をしなければ、こんなに簡単に気分が回復するのか、と実感し始めた頃がちょうど1年前だ。
生活リズムを整え、毎朝朝日を浴びるように習慣づけ、3食食べる。これだけでずいぶんと生きていると感じることが出来た。
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このころから、仕事について考え始めた。
当時の仕事は辞めることを決めていた。これからは自分のペースで働こうとしているが、形にするまでは時間がかかる分野に挑戦しようとしていた。迷いはしたが、この時間に少しでもベースを作っておかなければ、とはじめの一歩を踏み出した。
足を踏み入れた世界は、webライターだ。見切り発車がすぎるくらい猪突猛進していた私は、とりあえず案件に応募し、仕事を始めてみた。
運良く案件を任せてもらえる企業やwebディレクターと出会うことができ、仕事を進める。時間はかかるが、文字を連ねることは楽しかった。構成や組み込む情報に苦戦することはあったが、自分の書いた記事がサイトに掲載されているのを見た日には嬉しくなった。継続的に案件をもらえるようになったことも、先方とのやり取りがスムーズに進んだことも、この仕事が楽しい、頑張ろうと思えるきっかけになったのだ。
仕事とするには程遠い報酬だったが、お小遣いを稼いでいる感覚はとても楽しかった。とはいえ、ずっと報酬が得られるわけではないこともわかった。案件が終了したのだ。
単価アップを断られ、仕事ももらえなくなった。やり取りが気まずくなって、webライターから離れるきっかけをつくってしまったようにも思える。
ここから10か月ほど、webライターとしてはほとんど仕事をしなくなったのだ。
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再びwebライターとして案件を受け始めたのは、今年もあと数ヶ月と言われ始めた時。以前案件を受けたことのある企業が提示している依頼に応募したのが始まりだった。
文字を連ねることがこれほどまでに楽しくて、続けていきたいと再確認させてくれたものでもあった。webライターとして仕事を始めた1年前の私よりも、タイピングのペースは上がっているように感じる。文章が浮かぶ速さも速くなったのではないだろうか。作業時間も考えて仕事が進むようになった。
再始動したときから、ゆっくりとペースアップしていき、距離を置く前の報酬額を突破することが出来た。SNSの運用を開始し、SNSから仕事を獲得したこともあった。
今もまだお小遣い程度だが、次々と新しい案件に提案していくチャレンジ精神も身についたのだ。
まだまだ伸びしろしかないwebライターとしての人生だが、1年前と比べて見ると、仕事に対しての向き合い方や、webライターとして稼いでいこうと決める目標ははっきりしたものになった。これは成長と言えるのではないだろうか。
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1年を振り返る前は、変わったところは何もないと思っていた。webライターとして生計を立てられているわけではない。生活が豊かになっていることもない。むしろ苦しくなっている。
しかし、振り返ってみると、タイピングの速さや仕事として稼いでいこうと思う覚悟など、小さなところから少しずつ変化が出ていることがわかった。文章を書くことが、自分にとっては楽しくて、続けていきたいと感じていることもわかった。
明らかに立っている場所が違い、これからに希望を見出している、上を、前を、向いている自分がいるのだ。
12か月はあっという間に過ぎる。昨年1年間も、始まったと思えば今終わりを迎えている。あの時想像していた1年後とは違ったけれど、亀の足ながら自分が楽しいと思う世界や空間を作り始められている。
来年こそは成果を出そう。もうゆっくり進んでいる時間と余裕はない。次はぐんと伸びる雑草のように成長していきたい。
来年この話をする時は、成長したこととしてすぐに出てくるトピックを作る。劇的な変化を遂げている自分を、ここで語っている姿を想像しよう。
今も私は少しずつ成長している。自分がなりたい自分に向かって、webライターとして文章が好きだと思える自分に向かって、走っている途中だ。