私は大学生であり、なおかつ実家暮らしだ。大学に通う人の中には実家暮らしをしている人が多いと思う(私の友人は新幹線に乗って実家から通学しているが……)。
ぶっちゃけて言うと、私はずっと実家で暮らしていたい。一生。
こう考えてしまうのは私が甘やかされて育ったせいなのか、それとも親の脛をかじりたいだけなのか……おそらく両方とも真実だろう。
大学生なのに何を言っているんだ……と思う人もいるかもしれないが、実家が心地よすぎて私はもはや実家以外の場所に移りたいとは思えないのだ。

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朝起きたら家族が「おはよう」と言ってくれる。
家に帰ったら家族が「おかえり」と言ってくれる。
家族で美味しいご飯を一緒に食べながら、家族団らんの時間を過ごす。
寝る前には「おやすみ」と言って、また次の日を迎える。
休日はスーパーやショッピングに行って何かを買うのも良し。
家族でグダグダ過ごすのも良し……オールオーケー……。
私が大学やアルバイト以外の時間で過ごす時、大体はこんな感じでのんびりゆったり過ごしている。

これだけを見ると、毎日同じような日々を繰り返しているということもできる。
でもこの状態を維持できるのは、私が実家に住んでいるからである。実家に住んでいるがゆえの特権と呼ぼうか。
こんなゆるゆるな毎日を過ごしているため、もちろん私は家事が全くできないし、一人で生きていける自信も全くない。「一人では生きていけない」という自信は常にあるが。
「大人なのにこんなので大丈夫なのか……」「社会に出てやっていけるのか……」と不安に思うこともあるが、最終的には一人で生きていかなければならないので、今はこの問題について考えてもしょうがないと割り切って日常を過ごしている。

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私は家族が一緒にいる、この空間が好きだ。
「自立したくない」とか「依存したいなぁ」とか「親がずっと生きていてくれたら!」と思ったことがないかと言ったら嘘になる。
でも、そんな思い以上に家族と過ごすことにおけるメリットが私にはある。そのメリットとは「暖かい空間」だ。

でもここで訂正しておくと、私の両親は私にはゾッコン(?)だが、夫婦仲は非常に悪い。「何でこの二人は結婚して、今の今まで離婚せずに一緒にいるんだろう」と思うほど仲が本当に悪い。「子は鎹」というが、まさしくそんな感じだ。私がいないと必ず喧嘩が勃発し大惨事になる。

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でもこの家のどこかには「暖かい空間」が確かに存在していて、私はそれを身をもって感じることで多幸感を得ている。この「暖かい空間」が何によって生じているのかは定かではないが、キザな言葉を使って表現することが許されるなら、この「暖かい空間」は「両親の愛」によって成立しているように思う。

確かに私の両親の仲は、ヘドロを煮詰めたように黒々としている(?)。喧嘩をしだすと「暖かい空間」が地獄へ転じることも頻繁に起こる。
でもどこか安心して過ごせるのは愛があるからであり、同じような毎日を幸せだと思うのは愛が影響しているからだと私は信じている。だから私は実家から離れたくないのだ。
私は幸運なことに(?)まだ実家を離れる予定はないので、今しばらくはこの「暖かい空間」の中に浸っていたいと思う。