恋人と同棲をはじめて、もうすぐ一年が経とうとしている。
一年前に付き合いはじめて遠距離恋愛をしていたわたしたちは、月に数日しか会えなくて寂しい日々に耐えられないと言って、一緒に暮らしていくことを決めた。
遠距離から同棲へ。振り替えると楽しいことの方が多かった
彼の転職や引っ越しをする時にお金の問題で揉めたり、日頃の家事のことでケンカしたりするなど、どこのカップルも通るであろう困難は一通り経験したけれど、一緒に暮らしてからの毎日は、楽しいことの方が多かったと思っている。
隣り合わせに敷く布団、休日の買い出し、同じテーブルで取る食事。ありふれた日常の中に、遠くに住んでいてなかなか会えなかった彼がいることがとても嬉しかった。一緒に暮らす人がいるということは想像していた以上に安心で楽しいと知って、そう感じていられることが幸せなのだなあなんて惚けたことを思えるようになった。
彼とわたしは仕事の休みが同じなので、予定がない日は基本的に丸一日ずっと一緒に過ごしている。そんな日はよく、外に出ようとカフェへ出かけることがあって、わたしはその時間がとても好きだ。数時間それぞれ読書をしたり日記を書いたりして過ごしている。目の前のことに没頭できるからか、その時は一人の時間を過ごしていると感じられる。
一緒に居ても別世界、相手との世界に溶けきっていないことが、防衛線だなと思う。恋人は口約束だから、いつどんなことが起こるかわからない。ぴとりとずっとくっつかず、少しの距離は保っていたいと思う。
気になるのは今後のこと。「結婚」はやってくるのだろうか
ほやほやした幸せな気持ちが少しずつ落ち着いてきた今、気になるのは今後のことだ。
(今はもう「生涯の伴侶」という考え方もないのかもしれないけれど)このまま結婚するのかな、とか。そういうことを考えてしまうようになった。
結婚はしたいなとなんとなく思ってはいたけれど、実際のところは考えてもネットで調べても、自分にとってはよくわからないままだ。ただ、友達が結婚したと聞いた時にはこころの中でじわじわと焦りがにじみ出てくるようにはなった。
見えないなにかが迫ってきている感覚。早い者勝ちでも、結婚したから優れているというわけではないけれど、必ず少し、「いいなぁ」と思わざるを得ないのはなんでだろう。
恋人同士のビックイベントである「同棲」をしてしまったわたしたちに、上位互換の「結婚」をするタイミングはいつくるのだろうか。
友達が結婚したという話をすると、彼は「俺たちは俺たちのペースで進みましょうね」と返してくる。信頼している相手のはずなのに、どこか絵空事のように聞こえてしまう。
日々の中で、「今はきっとインターバルの期間で、それまではただ一緒に日々を楽しめばいい」「この緩い幸せはいつまで続くのか、ゴールはあるのか、終わりがあるのか」と、答えがでない問いを考えてぐるぐるとしている。
そのうち答えは出せるのかなと、ぼんやりとした未来に期待をして、また一年後くらいに振り返ってみたいと思う。