私は失恋から成長を得ることができたと思う。
思わせぶりな男というものを初めて経験し、ピュアさがなくなり悲しくもあるのだが、ちょっとのことでは惑わされない、気持ちの持ち方を手に入れた。

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大学2年生の秋、私は初めて合コンに参加した。
あの、ドラマや小説で異性の出会いの場として登場する合コン。ずっと人生経験として参加してみたいと思っていた合コン。そんな念願が叶うことを、日程が決まった瞬間からずっと楽しみにしていた。
しかも、その合コンには私が一目ぼれした男子が参加することも決まっていた。
ある体育の授業で少しだけ関わったことがあった彼。小栗旬に似ているルックスで、私は大学で出会った人の中で一番かっこよかったなとずっと思っていたからこそ、なおさらその合コンを心待ちにしていた。
いつもはどちらかというとかっこいい系のファッションをする私も、女性らしさを意識した服装で合コンに挑んだ。

合コンでは彼が上手に盛り上げてくれたので、良い雰囲気の中、みんな楽しむことができた。再会して彼により一層惹かれていた私は、その夜メッセージで感謝と、またもっと話したいといった気持ちを伝えた。
すると彼からは、またご飯行こうよ、とのこと。そこに特別な意味を期待したらだめって分かってても、本音としては特別な意味があって欲しかった。
私がときめいている間に気付いたらスムーズに日程は決まっていた。毎日連絡する習慣もできあがり、平日と休日で波はあるものの、1日5往復くらいはやり取りしていた。

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1回目のデートは夜ご飯。同い年にもかかわらず教養が深い彼の話は新しい世界をどんどん開いてくれるようで、聞いていてとても面白かった。人生初のバーという場所へ連れて行ってもらったし、付き合っていない人と恋人繋ぎをして歩くのも初めてだった。
別れ際に次会う日程も合わせることができ、帰宅後も余韻にどっぷりつかっていた。彼の飲んでいたカクテルに、あなたに心を奪われました、というカクテル言葉があったことを知ると、ドキドキして勘違いしちゃいそうだった。

2回目も夜ご飯を食べに行った。恋バナをしてみたかったけれど、向こうから持ち掛けられてもないから自分の好意丸出しになるかなとか、あまり過去のことにつっ込むのはよくないかななどと、彼のことを意識しすぎて悩んだ。結局わざわざ恋バナの話題をふる必要はないかなという考えに至っていた。
幸い会話のネタには困らなかった。今度ドライブに行こうという話にもなった。

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3回目は紅葉を見にドライブデートへ。お互いテスト前ではあったが優先するといって予定を合わせてくれた。たくさんツーショット写真を撮ったし、2人分の入場券と風景をセットにパシャリもした。
しかし、これまでと違って次に会う約束を具体的にできなかった。別れた後、もう会ってくれないのだろうかと不安を覚えた私はいてもたってもいられなくなった。そしてずっと欲しかった好きな人が折角できたのに素直になれていないことも後悔した。

もし向こうに会うつもりがないのだとしても、はっきり言ってもらわないともやもやが残るだけだし、もう当たって砕けろだ!と、私はずっと聞きたかったことや今の気持ちを告白することにした。

電話越しに、次の約束をできなくて凹んだこと、私は本当にいいと思う人としか恋人繋ぎをしないが彼はどうしてしてくれているのか等、気になっていたことを明かした後、ストレートに気持ちを伝えた。
彼はこう返事をした。
まず、次会う約束をしてなかったことに関しては習慣になっていないだけで悪気はなかったということ。そして、ロマンチックだったら恋人繋ぎはするタイプであるということ。
最後に、実は4年も付き合って結婚まで考えていた彼女と別れており、まだ引きずっているということ。もし私と付き合うことになって彼女と訪れたことがある場所を訪れると、自身がメンタル的にキツイのだそう。

後日、失恋を引きずらずにスッキリと次に行くためにもひとつメッセージを入れた。
元カノへの気持ちに整理がついていないということで、それだけが理由ではないかもしれないが、整理がついたらまた誘って欲しいというのが今の本音であると。

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この失恋で学べたことに、まずインターネット上の情報ばかりを鵜呑みにすべきではないということがある。
よく聞くのが、3回目のデートがひとつの告白タイミングであるということである。
またこれもインターネット上でよく目にするのが、女性は自身の全てを語るのではなく、ミステリアスに留めておくくらいが魅力的で良いということ。
これらはたしかに的を射ているところもあるのだろうが絶対ではない。意識しすぎるのはよくないと強く感じた。自分のアピールポイントは積極的に話していかないともったいないと思った。

その後、異性と2人でご飯に行く機会があった。帰り道に気付いたら恋人繋ぎをされていた。良い感じのムードであればする系のタイプか、と冷静に思った。
もう恋人繋ぎをされたくらいでは動じない。キープとしてか本命として見られているのかも見分けられる。
成長したなぁ、私。もっともっと努力していい女になってやる。