社会人になって6年目。社会人になる前の大学生時代も含めると、家族と一緒に暮らすことも、社会人となって配属先の都合で一人暮らしをしたことも、どちらも経験してきた。
どちらも経験してみて思ったことは、それぞれメリットもデメリットもあるが、私の性格に合っているのは一人暮らしの方であることだ。

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私の性格柄、ある程度の自由がないと苦しく感じるので、実家暮らしでは一人暮らしのときにはなかった制約が私を苦しめてきた。

例えばアルバイトなどで外出したとき。シフトの時間とある程度の帰宅目安を事前に伝えた上で出勤し、帰る前に「帰るよ〜」といったLINEを親に送ってから帰るのがルーティーンだが、アルバイト仲間と話が盛り上がって帰りの時間が大幅に遅くなったときに「まだ帰ってこないの?」「どこにいるの?」と自分への心配から帰りを催促する電話が数回親からかかってきたことが過去にあってから苦しいな、と感じることがあった。

始め数回は渋々電話に出ていたけれど、話し込んで帰りが遅くなることが増えた今では「帰るときにLINEする」と伝えてからは催促の電話は来なくなったが、それまでは正直信頼されていないとも思ってしまった。

大学生のときだったら、大学3年の冬まで免許も持っていなかったし、今みたいにマイカーを持っていた訳でもなかったのもあり、基本は公共交通機関と自転車で通勤していたからまだ親の気持ちもわかるが、もう今年で28歳。そして社会人かつマイカーで通勤をしている私に対して、「いくら私が女やからってあまりにも過保護ちゃうか?」と何度も思ってしまった。流石に心配性にもほどがあると。

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そんな苦しさを感じていたからこそ、社会人になりたてで約3年半ほど、転々としながらも一人暮らしができていた頃というのは、まさに天国そのものだった。
初めの頃は実家から持ってきた家具類でも足りないと感じるものがたくさんあり、休みのたびに買い足しに行っていたのは懐かしい話だが、ある程度家具も揃って来た頃には自分の好きなものでいっぱいになっていたから、あとは転勤の度に与えられた新居という空間にどう自分の好きなものを配置するだけだったから、物の配置を考えるのがとても楽しかった。

そして何より、身内からの干渉がほぼ一切入らないこと、これが一番幸せだった。
何時に外出しても文句は言われないし、帰りを催促してくるような連絡は一切来ない。好きな時間に好きな場所に行けるから、私は初めてこの期間に夜中に家を出てちょっとした一人旅に出るということもしてみた。
誰からも何も言われない、私だけの時間にいろんなところへ行けたこと、この経験は私にとって貴重な思い出である。

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今は持病の影響もあって実家に帰ってきてしまったのもあり、完全に家事や料理は同居している母親任せでだいぶ甘えてしまっているが、仕事がらみや外出時に苦しいと一度思ってしまってからは快適だった一人暮らしに戻りたいとも思ってしまう。

一人で暮らすということは、家事全般を自分自身で担わなくてはならないというデメリットこそあるが、一度経験した一人暮らしの良さに気づいてしまったら、デメリットはどうにか乗り越えてまたいつか一人暮らしに戻りたいとも思う。それだけ、私にとって一人暮らしがぴったり合っていたんだな、と実感する。

実家暮らしに戻ってなんだかんだでもうすぐ2年。持病等理由があってまだしばらく一人暮らしに戻ることは難しいけれど、その壁をクリアしたらもう一度、一人暮らしに戻して自分にとって最高かつ快適な暮らしを送りたい。
そのために、今の仕事にも自分自身そのものにも私は向き合い続けていく。