2022年4月、結婚を機に海外移住を通して私が強く感じたことは、『人の愛』そのものだった。
いくら海外旅行で慣れた土地だったとしても、一時的な旅行と、そこに身を置いて生活をするのでは全く話が違う。
側に心強いパートナーが居るとしても、私が海外移住を決意するまでに数年かかってしまったのも実はそこに理由があった。
大好きな母国にいる家族・親友・友達、私自身が手に入れた「人との繋がり」を手放すのが、ものすごく寂しくって怖かった。

一歩を踏みだせない私を、私以上に「愛してくれている」周りの人たち

2022年4月15日、私は大好きな家族に見送られて羽田空港からアメリカへ飛び立った。
乗り継ぎ2回、トータル20時間のフライトでいつものようにクタクタになった私は、1年半ぶりに再会した彼の顔を見た瞬間、安堵の涙に溢れた。
青色の花束片手に空港で待っていた彼を、遠目でも私はすぐに見つけることができた。

そして同棲生活が始まり、9ヶ月目に突入しようとしている。
最初の1ヶ月は、新しい友達作りやコミュニティーに馴染むのに、いつも通りの人見知りを発揮した。
でも、私以上に周りの仲間は温かく受け入れてくれて、すぐに打ち解けることができた。
心のどこかで「まだ差別ってあるよね……」って思っていたからこそ、何か一歩踏み出せない私がいたのと裏腹に、私は周りの人たちに恵まれていることを思い知らされた。
「アジア人だから……」というレッテルは自分で自分のことを不安にさせ、人種・年齢・性別関わらずに「ありのままの自分」を見てくれる友達に心からの愛情をもらった。
それは、私以上に仲間が私のことを「愛してくれていること」がヒシヒシと伝わってきて、私も彼ら以上に彼らのことを「強く愛したい!!」と思うようになったのだ。

「愛されたい」と願うものの、それ以上に周りを大切にしただろうか

「自分は他人によく求めているけど、自分は同じように他人を愛してきたか……」と、ふと改めて考えることがあった。
無意識のうちに「愛されたい」とは強く願うものの、それ以上に他人を「愛したい」と周囲を大切にしてきたかどうかにふと自分自身に疑問を持ったのだ。

無償の愛でいつも優しく・親切に接してくれる今のラン友に、私は強く感銘を受けて自分もそうなりたいと強く思うようになった。
そんな彼らに感謝の気持ちを表すためにできること、愛すること=その人を想いやり・コミュニケーションをまめにとること。
日本で「察する」という文化に慣れていた私は、アメリカに来て改めて「言葉で伝えること」の必要性を感じた。
だからこそ、相手を想いやる時に言葉でちゃんと伝えることの大切さを再認識した。

まず私の今年の目標は、ボランティア活動に目的意識を持って取り組むこと。
永住権の手続き中で仕事が出来ない今、時間があるからこそ出来ることに取り組む。
ランニングクラブのアンバサダーとして、ランニングのコミュニティーを活発にすること・ランナーとランナーを繋ぐかけ橋になること。
そしてそれが、コミュニティーへの愛の倍返しになると、私は確信している。