小さい頃、時折母親から聞かれた。
「今日の晩御飯何がいい?」
母は私の希望を聞いてくれるのだ!
そう思い、大好物の「カレー!!!」そう答えると、
「それはあかん。じゃあお姉ちゃんは?」
と、バトンは渡されるのだった。
じゃあ聞かなきゃいいじゃんと心の中で思うも、大人になってからそれは私の希望を聞いてくれる為ではなく、母のちょっとした手抜きだったということに気づく。

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当時は何も考えずに毎晩出てくる手作りのご飯をつついていたけれど、一人暮らしを始めて、毎日ご飯を作ることがいかに大変かということを知る。
そして二人暮らしを始めて、更に誰かのご飯を作るということは、どれだけ面倒かということに気づく。
1人であればカップ麺でもコンビニ弁当でも買えば最悪何とかなるし、なんなら私はお菓子とコーヒーで一食が賄えてしまう。
ところが2人ともなると、きっちり作らなければならない。
手を抜くにしても、一品だけ鍋をドーンというわけにはいかない。

そして甥が出来て、子どものいる食卓の大変さを思い知る。
大人であれば多少野菜が無かろうが味付けが濃かろうが1日ぐらいと、思える。
けれど子ども相手にそれは通用しない。
毎日毎日の食事が子どもの体を作り、健康を守る。
そして更に美味しくなければ食べてくれない。
そう考えると、意外と毎日の食事というものは戦いなのである。
更には冷蔵庫の中身やお財布事情も相まって、たかが"献立決め"かもしれないが、お母さん(もしくはお父さん)達からすると、一種の戦いなのではないかと思う。

その結果、子どもが食べたいものから作れそうなものを考えて晩ごはんにする。
そのアイデアを得るために私たちに時折、晩御飯のメニューを聞いたのだろう。
そうであればエビフライやステーキなど、いかにもなメニューをリクエストする私より、肉じゃがや魚の煮付けなど和食を求めた姉のリクエストが通ることが多かったのも納得だ。

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そんな悩みを解決すべく開発して欲しいサービスは、「献立リクエストボックス」だ。
機械を使ってもいいけれど、汎用性を考えるとアプリで開発するべきかと思う。

とてもシンプルなもので、①ここ最近の晩ごはんのメニュー②今冷蔵庫にあるもの③子どもの年齢④主菜副菜や和食洋食のリクエスト⑤体の不調など気になることを入力。その入力事項に沿って、栄養やメニューのバランスを考えた上で、今日の晩御飯をAIが判断し、お薦めしてくれるというものだ。

外部の料理サイトなんかと連携すると、より一層認知度も上がり、社会的にも作用を及ぼすだろう。
そして何より毎晩献立に頭を悩ませる親御さんが悩まずにすみ、更に栄養までしっかりと取れる素晴らしいレシピをチョイスしてくれる。
これが広まれば親御さん達は毎日の献立に悩まなくて済むし、子どもは栄養をしっかりと摂ることができる。

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どんな時代も親から子供への愛情たっぷりの料理というものは必要不可欠なもので、それを与えようとする親御さんのサポートができるのではないだろうか。
時代は変わりつつもやはり料理は女性がすることが多く、また、こちらは時代の変化によって社会に出て働く女性が多い。
晩ごはんのメニューが決まっているだけでも随分と彼女達の負担は減るのではないだろうか。
もちろん、一人暮らしや大人同士の食卓にも使うことができ、初めて一人暮らしを始めたお料理ビギナーさんや、忙しく働く共働きカップルなど、様々な生活形態の人たちのサポートが出来るのではないと思う。

世の中の毎日の食事のために、ぜひそんなメニュー提案機能を開発してほしい。