大人になって、友達の定義が分からなくなってしまった。
友達って何だろう。自分には友達がいるのだろうかとよく思う。
毎日のように連絡を取り合い、休日に会って一緒に流行りのランチやカフェへ行き、ショッピングに行き服を選んだり、互いのささいな出来事を話し合って、恋バナに花を咲かせたりするのが友達だろうか。
だとしたら、現在の私にはそんな友達と呼べる存在がいない気がする。
◎ ◎
元々自分には友達がいないのではないかと思っていた。
小学校、中学校のころは悪口を言われたり仲間はずれになったことが多々ある。
休み時間は図書館で1人で本を読んでいるのが好きだった。
異性には異性に見られるかどうかで判断され、連絡を無視されたり、仲良くなれない。
私には連絡を取っている友達がいない。
連絡先も何回か消すため、家族のものしかない。
たまに連絡先を交換しても連絡が来たことはほとんどない。常に自分から誘っている気がする。同窓会にも呼ばれない。結婚式に参加したこともまだない。
自分が考えすぎなのかもしれないが、時折孤独を感じ、切なくなる。自分が周りより劣っている、異なっている、おかしな存在ではないかと感じ、自己嫌悪に陥る。
◎ ◎
学生時代に出会った、唯一の友人だと思っている友人がいる。
残念ながら彼女とは今、連絡を取っていない。
彼女とは大学時代に留学先で知り合った。
顔立ちはハーフのように目がぱっちりしていた。
彼女は言語が得意だった。語学クラスも上級レベルだった。語学の上達のため日本人とは群れないと決めていたみたいで、1人で行動していることが多かった。
何がきっかけかは分からないけど仲良くなれた。彼女も自分は友達がいないと言っていた。
車の運転が怖くて、できれば免許を取りたくないと言っていたのも共通していた。
彼女は、現地で恋人ができた。3人でご飯を食べに行ったこともある。
恋人がなかなかできない私は羨ましくてたまらなかった。
帰国する際は空港まで見送りをしてくれた。
私の良いところを書いた手紙もくれた。
彼女は就職活動をせず、現地の語学学校に就職した。私はその語学に全くかかわらない職種で、彼女が羨ましかった。
それから連絡を何回かとったと思う。自分から連絡をしたこともあったし、彼女から連絡が来たこともあった。
◎ ◎
ある日、彼女が仕事をやめて日本に戻ってきたことがわかった。無職の状態ということも。
現地での就職は辛いと聞いていた。
何て声を掛ければいいか分からなかった。
彼女を元気づけたくて、心配で地元の銘菓を送った。喜んでくれたみたいで嬉しかった。
申し訳ないことに、彼女からもお返しに銘菓をもらった。大変な状況なのに申し訳なかった。
現地から友人が来るから一緒に遊びに行かない?と言ってしまい、返事はなかった。
やはり気に障ったかなと思った。
心から彼女の幸せを願いたい。自分も仕事をこなしていくのに精一杯の毎日だ。
将来の未来の不安が大きい。けれども、留学のころの記憶が私を支えているし、その記憶の中にずっと推しの彼女がいる。
いつかまた会って話せたらいいと思う。