最初に言っておくが、私は女で、私の親友は男だ。
これを言うと「男女の友情なんて成立しないでしょ」と突っ込んで来る人がいる。
性別で決めつけることをやめようという世の中の流れになった今だからこそ、声を大にして言いたい。
親友が男で何が悪い!!
そんな私のかけがえの無い親友の話を書こうと思う。

◎          ◎

親友Aとは幼稚園からの仲だ。
その頃からずっと仲が良かった訳ではない。用事があるときに話したりたまに連絡をとる程度だった。
20代に入った頃からあるきっかけで仲が深まった。そのきっかけとは、共通の趣味であるゲームをすることだった。
具体的には、戦略が勝ち負けを決める、協力して行うチームプレーのゲームをAに勧められて、私がどハマりしたのだ。
それから毎日、他のゲーム友達も含め通話をしながらゲームをする日々が始まった。
Aを含む4、5人のゲーム友達と1日12時間連続で通話をすることも珍しくなかった。
ゲーム友達の中でも、Aとは幼稚園から一緒で、実家も斜向かいということもあったので、私の中では小さい頃から知っていて素を出しても受け入れてもらえるという特別な存在だった。
そんなAはいつしか私の人生に欠かせない一番の相談相手になっていた。
本人に見られたら恥ずかしい内容なので普段は絶対に言わないが、Aの推しポイントを少し書いてみようと思う。

◎          ◎

・どんなくだらない話でも聞いてくれる
例)迷ってるんだけど、どっちのスタンプ買ったら良いと思う?
・私が言いたくない話題は深く聞いてこない
・ゲームに誘ったら90%集合してくれる(一番の重要なポイント)
・遊ぶ時は全力
・私が言わなくても感情を読み取ってくれる
・恋愛相談に乗ってくれる
・共感もしてくれるが、必要なときは率直な意見をズバッと言う
・価値観があまり変わらない
など……。

私は女の子同士のきゃぴきゃぴした空気、話を合わせないといけない圧がとても苦手だ(上記はあくまでも私の苦手な女友達の話なので、全ての女の子に当てはまる訳ではない)。電話をする時もランチをする時も緊張してしまう。
私は緊張すると胃が縮んでしまうため、毎回吐き気を隠しながら会っていた。
意見が同じでないと、今日は味方でも明日には敵になってしまう。それがすごく怖いのだ。

◎          ◎

私は学校に通う過程で、自分の温度に合う女友達がほとんどいなかった。それなのに学校で1人にならないため、無理して価値観の合わない女友達に合わせて日々を過ごしていた(今は頻繁に会うことはないが、年に数回ランチに誘われるため、どうやって断ろうか困っている)。
学生時代は自分を押し殺して生きていたが、大人になった今、もう自分を繕うのはやめようと思う。
私の場合は、たまたま男の友達Aと相性が良かったというだけで、世間一般の女同士の親友と変わらないと思っている。

「男女の友情が成立するのか?」
この質問の答えは私だけが知っていると思う。決めるのは私自身なのだから。
親友が男でもいいじゃない。
目の前の唯一無二の親友を大切に、じいちゃんばあちゃんになってもくだらないことで笑いあえてたらいいな。