私は年を重ねることが怖かった。
ハタチを超えたあたりから「ああ21になってしまった」「もう23か、おわった」と毎年くらっている。
4月生まれなものだからなおさらだ。20歳までは得だった。皆より先に年上になる優越感。お酒も先に飲めるし、誕生日プレゼントのお返しも考えやすい(金額を合わせられる)。20歳からは得ではなかった。3月生まれの破壊力。え、まだ22歳?こっちはもうじき24になるっていうのに。若くていいなあ。
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所謂、「おばさん」に近づいていくのが怖いのだ。肌にハリがなくなったり着たい服が着られなくなってしまうのが嫌だ。年齢で区別される世の中が嫌だ。
16のとき「3年生こわい。すごく年上な感じする」。
18のとき「オリンピックの年23か、観に行けるじゃん!まだまだだけど」。
19のとき「26の人と付き合ってるの?おじさんじゃん。信じられない」。
人は気付いたら自分がなると思っていなかった年齢になっている。
時は止まらないのだからどうしようもない。
同じように現実におびえている人がいるのではないだろうか。
私より年下の人へ経験者として言わせてほしい。
案外いけるよ。うん、まだ大丈夫。
ヘアカラーもネイルも楽しいし、「学生さんですか?」なんて聞かれて「違います」って謙遜しながら答えるのも楽しいよ。
私より年上の人から経験者として教えて欲しい。
何歳になっても人生楽しんでいますよね?
30になっても体動かして遊んで、
40になっても友達と弾丸旅行して、
50になってもキラキラネイルで、
60になって新たな趣味を見つけて、
70になってもパンケーキを食べて
80になってもお洒落を楽しんで。
90歳になってもお買い物に出て店員さんとヘラヘラ喋ったりして。
何歳になっても「これからが人生本番!何を始めるにしても遅くない!」
ってやる気満々ですよね?
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年を重ねることに比較的悲観だった私だが、実は最近「時が流れるのも楽しみ」と思えるようになってきた。そう思わせてくれる存在ができた。
この人と人生を共にしている姿を想像するだけで幸せなのだ。
早く春にならないかな、お花見楽しみ。
夏までに痩せるぞ。
次の秋はどこへお出掛けするのかな。
冬は寒いけどあたたかい部屋でアイス食べちゃうのもいいな。
一緒に行きたい所・やりたいことを数えたら37個あった、と彼は言った。
消化しても次々と更新されるらしい。私達の予定に終わりはない。
それだから。
「早くこの日来ないかな」と時の流れを催促してしまう自分がいる。
あれだけ年を重ねることが怖かったのに。
新鮮で幸せな時期がずっと続けば、と思いがちだが私は変化も楽しみである。
仕事・私生活において周りにいる人や自分自身も変わっていくだろう。今日が何十年も続くわけがない。
でも、環境の変化も彼がいれば対応できそうだし、彼といる姿が想像できる。
一年でみる四季のイベントのみならず、80年でみる人生のイベントを愉しみたい。歳を重ねるのも悪くない、そう思わせてくれた彼には感謝だ。
彼と出会えてよかった。
未来の私もそう思っているだろう。